FDA、局所進行非小細胞肺がんにDurvalumabを承認

 何はともあれ、治癒を目指せる治療法が増えるのはとても意義深い。

FDA Expands Approval of Durvalumab to Reduce the Risk of NSCLC Progression

By The ASCO Post

Posted: 2/20/2018 5:56:34 PM

Last Updated: 2/20/2018 9:44:22 PM

 2018年2月16日、米国食品医薬品局は、放射線化学療法後に病勢進行に至っていない切除不能III期非小細胞肺がん患者に対するDurvalumab療法を承認した。このsettingの治療としては、これが初の薬事承認となる。切除不能III期非小細胞肺がん患者に対し、進行を抑えるための標準治療はこれまで放射線化学療法だったが、この治療により治癒に至る患者は一握りだった。今回の承認により、放射線化学療法後により長くがんの病勢進行を抑え込む治療を受けられるようになった。

 DurvalumabはPD-1 / PD-L1経路を治療標的としている。PD-1 / PD-L1の相互作用を阻害することにより、Durvalumabは患者の免疫システムががん細胞を攻撃する手助けをする。2017年の段階で、Durvalumabは先行して進行膀胱がんに対する迅速承認を受けていた。

 今回の承認は、すなわち、放射線化学療法完遂後病勢進行に至っていない切除不能III期非小細胞肺がん患者713人を対象としたPACFIC試験の結果に基づいている。この試験の評価項目は無増悪生存期間だった。無増悪生存期間中央値は、Durvalumabを使用した患者群で16.8か月、使用しなかった患者群で5.6か月だった。加えて、PACIFIC試験のスポンサーであるアストラゼネカ社は、本試験で放射線化学療法後にDurvalumabを使用した患者の全生存期間データをFDAに提出することを、市販後臨床調査の一環として行うことに同意している。

 Durvalumabに関連した頻度の高い有害事象は、咳、疲労感、肺臓炎 / 放射線肺炎、上気道感染、呼吸困難、発疹だった。

 重篤な有害事象には、肺臓炎、肝炎、腸炎、内分泌障害、腎炎といった免疫関連有害事象が含まれる。Durvalumabはまた、胎児発育に対する毒性も有している。そのため、女性の患者に対しては胎児発育への潜在的なリスクが説明され、避妊することが推奨されねばならない。