2022年01月05日、我が国でもいよいよ、オミクロン株による新型コロナウイルス感染流行の第6波が本格的に到来しました。
報道陣の質問に対して、大阪府の吉村知事が高らかに宣言していましたね。
共感します。
ワクチン接種がいきわたり、治療薬も様々使えるようになりました。
それでも、感染回避のための基本は変わりません。
人込みを避ける。
こまめに手洗い、うがいをする。
そして、不織布マスクをつける。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、われわれがはっきりと学んだことの一つに、マスクに関する知見があります。
今一度、振り返ってみましょう。
2020年10月27日の記事を振り返ります。
このシーズン、結局インフルエンザは全く流行しませんでした。
国民の感染予防行動の賜物、危険回避バイアスだと個人的に理解しています。
感染力が強く、病原性は弱く、よりインフルエンザに近い性質を持つと考えられる新型コロナウイルスオミクロン株。
知らないうちに自分が感染源になっている、ということのないように、少なくとも不織布マスクをつけるくらいの配慮が欲しいです。
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気温が下がってきて、そろそろインフルエンザの流行を意識する頃合いになってきました。
毎年のことだけれど、インフルエンザワクチンの入庫量が圧倒的に不足しています。
外来診療をするたびに、我々のところではもうインフルエンザワクチンは接種できないんです、と予約制度のところから患者さんに説明しなければなりません。
ワクチン接種もさることながら、まずは感染予防策の徹底が基本中の基本です。
人込みの中にはなるべく入らない、かぜ症状のある人とはできるだけ距離を置く、外出先から帰ってきたら20秒かけて手を洗ってうがいをする。
凡事徹底、自分にできることを淡々と続けたいものです。
2020/10/22のNHKニュースで、マスクの効果についての報道がありました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201022/k10012674851000.html
東京大学医科学研究所で行われた実験について。
出典はこちらのようです。
https://msphere.asm.org/content/msph/5/5/e00637-20.full.pdf
人形を用いたモデルで、実際の新型コロナウイルスの飛散を各種のマスクがどれだけ抑えられるかという内容でした。
ウイルスをまき散らす人と、ウイルスをもらってしまう人に分けて検証しているところが秀逸です。
使用したマスクは、布マスク、サージカルマスク、N95マスクの3種類でした。
まず、ウイルスをまき散らす人にマスクをさせると、布マスクでもサージカルマスクでも、70%程度はウイルスの飛散を抑えられたとのことです。
この点については、布マスクにも一定の効果があり、少なくともサージカルマスクと同程度の飛散予防効果があるということでした。
一方、ウイルスをもらってしまう人においては、マスクによって差が出ました。
布マスクは17%、サージカルマスクは47%、N95マスクは79%ほど、ウイルスをもらってしまう量を抑えられるとのことです。
ざっくりと言えば、それぞれのウイルス遮断効果は、布マスクが20%、サージカルマスクは50%、N95マスクは80%程度と言えるでしょう。
大切なことは、どのマスクを使用しても、それなりのウイルス遮断効果があり、ウイルスをまき散らす人がマスクをしたときがもっとも効果が高いということです。
そして、以下の記事を見る限り、サージカルマスクの50%ウイルス遮断効果というのは、どうも再現性がありそうです。
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e972720.html
感染者には無症状の人もいるわけで、果たして自分がまき散らす側なのか、もらう側なのか、事前に判断することは難しいです。
これからインフルエンザ流行期を迎えるにあたり、凡事徹底のもうひとつとして、外出時にはきちんとマスクをする、ということも付け加えたいと思います。