他の医療機関からご依頼を受けて、しばらくお預かりしている高齢の非小細胞肺がんの患者さんがいらっしゃいます。
困ったことに、転院後ずっとお食事がのどを通らず、かなりひどい脱水状態になってしまったため、点滴での治療を継続しています。
このままでは衰弱していく一方なので、なんとかお食事をとれるようになっていただきたいとアナモレリンの使用を計画したのですが・・・。
「心筋梗塞・狭心症」に関する禁忌や慎重投与の記載事項があり、頓挫してしまいました。
添付文書を参照する限りでは、急性・亜急性期の心筋梗塞・狭心症がある患者さんでは禁忌、既往症であっても慎重投与、というように受け取れます。
この患者さんは過去に狭心症のため心肺停止し、組成処置を受けたご経験がある方です。
実質的に禁忌に該当すると判断し、アナモレリンの使用は見合わせることにしました。
縁がない薬というのは、本当に縁がないものです。