・ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の5年生存割合は20-25%程度・・・CheckMate-227試験、5年間追跡調査結果

 CheckMate227試験における、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の5年間追跡結果が公表されていました。

 PD-L1<1%では5年生存割合20%、PD-L1≧1%なら5年生存割合25%。

 つまるところ、4-5人に1人は5年生存するということです。

 さらに喜ばしいのは、5年生存した患者さんのうち約2/3は3年以上がん治療を受けずに過ごせているということです。

 単に生存期間を延長しているだけでなく、がん薬物療法から解放されて人生を楽しむことができるのは、素晴らしいことだと思います。

 

 

 

 

Five-year survival outcomes with nivolumab (NIVO) plus ipilimumab (IPI) versus chemotherapy (chemo) as first-line (1L) treatment for metastatic non–small cell lung cancer (NSCLC): Results from CheckMate 227.

 

Julie R. Brahmer et al.

2022 ASCO Annual Meeting, abst. #LBA9025

DOI: 10.1200/JCO.2022.40.17_suppl.LBA9025

 

背景:

 CheckMate227試験において、進行非小細胞肺がん患者に対するニボルマブ+イピリムマブ併用療法は、がん組織のPD-L1発現状態と関係なく、プラチナ併用化学療法に対して長期かつ持続的な生存期間延長効果を示した。今回は、本試験における5年間追跡調査後の結果を報告する。

 

方法:

 CheckMate227試験では、未治療、EGFR / ALK遺伝子異常なし、ECOG-PSは1以下のIV期もしくは術後再発の成人非小細胞肺がん患者を対象に、組織型を割り付け調整因子として無作為割り付けした。

 PD-L1発現≧1%の患者を以下の治療群に1:1:1の割合で無作為に割り付けた。

1)ニボルマブ(3mg / kg、2週ごと)+イピリムマブ(1mg / kg、6週ごと)

2)ニボルマブ(240mg / 回、2週ごと)

3)プラチナ併用化学療法

 また、PD-L1発現<1%の患者は、以下の治療群に1:1:1の割合で無作為に割り付けた。

4)ニボルマブ(3mg / kg、2週ごと)+イピリムマブ(1mg / kg、6週ごと)

5)ニボルマブ(360mg / 回、3週ごと)+プラチナ併用化学療法

6)プラチナ併用化学療法

 病勢進行、忍容不能の毒性に見舞われるか、ニボルマブもしくはイピリムマブは開始後2年経過するかまではプロトコール治療を継続した。評価項目には、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効割合(ORR)、奏効持続期間(DoR)に加え、新たな指標である無治療期間(TFI)を設定した。TFIは、プロトコール治療を中断した患者(プロトコール治療完遂を含む、理由を問わない治療中断)を対象に、最後にプロトコール治療を行った時点から、次治療開始もしくは患者死亡までの時点までと定義した。

 

結果:

 データカットオフは2022年02月15日で、追跡期間最短値は61.3ヶ月だった。

 PD-L1≧1%の患者集団(1,189人)において、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法(NI)群はプラチナ併用化学療法(chemo)群に対して、引き続き有意にOSを延長していた(ハザード比0.77(95%信頼区間0.66-0.91))。5年生存割合はNI群24%、ニボルマブ単剤(N)群17%、chemo群14%だった。

 PD-L1<1%の患者集団(550人)においても、NI群はchemo群に対して有意にOSを延長していた(ハザード比0.65(95%信頼区間0.52-0.81))。5年生存割合はNI群19%、ニボルマブ+プラチナ併用化学療法(N+chemo)群10%、chemo群7%だった。

 chemo群に対するNI群の臨床的有用性は、患者集団全体においても、5年生存を達成した患者集団においても、他のエンドポイントも含めて認められた。NI群のうち5年生存を達成した患者集団のうち、PD-L1≧1%の患者群で66%、PD-L1<1%の患者群で64%はプロトコール治療を中断してから3年以上、次治療をせずに済んでいた。ニボルマブ±イピリムマブ療法の治療継続期間(中央値、範囲)は、PD-L1≧1%の患者群では(17.7ヶ月、0-25.5)で、PD-L1<1%の患者群では(9.5ヶ月、0-25.1)だった。過去に報告のない毒性は認められなかった。

 

結論:

 最短5年間の追跡期間において、未治療進行非小細胞肺がん患者に対するニボルマブ+イピリムマブ併用療法は、がん組織のPD-L1発現状態と関係なく、化学療法と比較して長期にわたる持続的な臨床的有用性を示した。ニボルマブ+イピリムマブ併用療法は5年生存患者を増やし、こうした患者の大多数は3年以上がん治療を受けずに済んでいた。

 

 

 

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