NSCLC個別化医療時代の気管支鏡診断

<NSCLC個別化医療時代の気管支鏡診断>

 2015年11月26日、日本肺癌学会総会 東京都済生会中央病院 笹田真滋先生

・AZD9291, CO1686などの第3世代EGFR阻害薬が登場し、再生検の必要性が増してきた。

・再生検の論文報告

 Kuiper et al, Oncology 2014

 Yu et al, Clin Cancer Res 2013: 155人の再生検結果について報告、ほとんどがCTガイド下肺針生検

 Yoon et al, Radiology 2012

・再生検の場合、病巣の組織が固い、出血が多い

・EBUS-TBNAでの再生検

 PET(+)のリンパ節にターゲットを絞る

 elastographyを用いると、固い(青く描出される)リンパ節の方が、がん細胞が得られる確率が高い

・ホルマリン固定、Diff-Quick, Papanicoleau, ROSE

・再生検組織は壊死組織をしばしば伴う

国立がん研究センター中央病院での再生検結果のまとめ

 全部で53件、がん細胞 / 組織が得られたのは43件(83%)、このうち11件はT790M(+), 11件はT790M(-), 1件は小細胞癌転化

 がん細胞 / 組織が得られなかった9件中、5件はwithinだったにも関わらず(-)、4件はatypical cellどまり,1件は感染だった。

・TBLBを行うなら、できれば太径GSを用いた方がいい

・鉗子生検するときは、ゆっくり鉗子を閉じて、数秒待ってから引き抜くといい

・EBUS-TBLBと合併症

 Izumo et al, Respiration 129-135, 2015

・気管支鏡ナビゲーションシステム

 BF-Navi→Direct Pathに進化

 Lung Point

・針を用いた気管支鏡下肺病巣穿刺

 ガイドシース越しに穿刺針を刺入して道を作り、その後probeを挿入し、withinにもっていく

・TBLBの流れ

 ? CT, PETでターゲットとする病巣を決める

 ? 気管支鏡ナビゲーションを作成する

 ? EBUS-GS法を用いてTBLBを行う

 ? 最初の生検ではROSEを行う

 ? ROSE陰性なら針で穿刺して再挑戦

 ? 再度生検してROSE、以後繰り返し