2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

・PD-L1≧50%の進行non-Sq NSCLC患者で、免疫チェックポイント阻害薬単剤療法は必要かつ十分なのか

KEYNOTE-024試験の日本人サブグループ解析の結果、PD-L1≧50%の患者集団における生存期間の95%信頼値は22.9ヶ月以上、5年生存割合は51%と、以前の記事で取り上げました。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e986810.html 限られた患者集団とは言え、…

・ラムシルマブの胸水制御効果・・・ベバシズマブよりは劣るか

ベバシズマブに胸水制御効果があるのなら、果たしてラムシルマブではどうか、というのがこの後方視的研究の一つの注目点でしょう。 既治療進行非小細胞肺がんに対してドセタキセル+ラムシルマブ併用療法を施行された患者さんを集積して調べたところ、胸水に…

・がん性胸膜炎、悪性胸水貯留と血管増殖因子阻害薬(ベバシズマブ、ラムシルマブ)

無増悪生存期間延長効果に優れるものの、全生存期間延長効果はそれほどでもない血管増殖因子阻害薬(ベバシズマブ、ラムシルマブ)。 ある先生は製薬企業主催のランチョンセミナーで「このカテゴリーの薬は、ふりかけと思って使ってもらったらいい」と秀逸な…

・第III相J-AXEL試験・・・既治療進行非小細胞肺がんに対するnab-PTXの効果

少し昔の話になりますが、 「既治療進行・再発非小細胞肺がんに対するドセタキセル(DTX)とナブパクリタキセル(nab-PTX)のランダム化比較第III相試験(J-AXEL試験)」 の結果が2020年の第61回日本肺癌学会総会で公表されていたので、概要を振り返ります。…

・J-ALEX試験最終解析・・・ありがちな結論だけどやっぱりすごい。

ALK融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺がんを見たら、何はともあれアレクチニブです。 それさえ守れば、治療を受ける患者さんの5年生存割合は60%を超えます。 J-ALEX試験は、分子標的薬に関連した臨床試験でクロスオーバーを許容すると、全生存期間に差が出な…

・IMPACT / WJOG6410L試験・・・我が国発の術後補助ゲフィチニブ療法第III相試験

EGFR遺伝子変異陽性、病理病期II-III期の完全切除後非小細胞肺がん患者を対象に、ゲフィチニブ術後補助療法の有効性を検証した第III相IMPACT / WJOG6410L試験。 以前も記事にしたことがありますが、中国発のADJUVANT / CTONG1104試験はあくまでも参考程度に…

・規制当局FDAからの発表・・・PD-L1発現1-49%の患者における化学療法+免疫チェックポイント阻害薬

米国食品医薬品局(FDA)という規制当局が発信する、という点で、とてもユニークな発表だと思いました。 PD-L1発現1-49%の患者集団において、免疫チェックポイントの適正な使い方に関する臨床試験デザインの今後の在り方を問う、という立ち位置です。 しかし…

・KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がん、Sotorasibで1年長生き

まだ身の回りでは1件くらいしかKRAS G12C変異患者を見たことはありません。 2021/05/28付をもって、米国食品医薬品局は既治療KRAS p.G12C陽性進行非小細胞肺がんに対するsotorasibを薬事承認しました。 KRAS遺伝子変異陽性の患者に対して、分子標的薬単剤で1…