2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

・周術期治療にまつわる現場の四方山話

街中で、金木犀の馥郁たる香りが漂い始めました。 1年の中でも、私が最も好きな時期のひとつです。 先日、切除可能非小細胞肺がんに対する周術期がん薬物療法のセミナーを視聴していて、興味深い話題があったので、感想を交えて書き残します。 術前ニボルマ…

・KEYNOTE-671試験についてのインタビューから

II期、III期の非小細胞肺がん患者さんに対する周術期治療について検証したKEYNOTE-671試験について、興味深いインタビューがwebinerとして公開されていましたので、視聴しました。随分と意訳してしまいましたが、内容を簡単にまとめておきます。聞き手も話し…

・第III相JIPANG試験、5年間追跡結果

II-IIIA期の非小細胞肺がん手術成績を向上させる取り組みは、単なる術後補助化学療法から術前・術後に免疫チェックポイントやオシメルチニブを絡めた周術期治療へと幅を広げようとしています。 術後補助療法としてのシスプラチン+ペメトレキセド(PemP)併…

・第II相HERTHENA-Lung01試験・・・TKI、PBC後のEGFR遺伝子変異陽性肺がんに対するHER3-DXd

HER3をターゲットとした抗体薬物複合体、HER3-DXdの有効性と安全性を検証するHERTHENA-Lung01試験とHERTHENA-Lung02試験。 今回は、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬、プラチナ併用化学療法のいずれもやり終えたあとのEGFR遺伝子変異陽性進行非小細胞肺がん患者さ…

・第IV相IMbrella A試験・・・IMpower133試験の長期追跡結果

進展型小細胞肺がん患者さんを対象に、アテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド併用療法の有効性を証明した第III相IMpower133試験。 旧ブログでは幾度となく取り上げましたが、我が国で適用できるようになってからもう4年も経過したのですね。 早いもの…

・CheckMate227試験 6年間追跡調査結果

CheckMate227試験については、過去随分と記事を残して来ました。 今回は6年追跡調査結果です。 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法による6年生存割合は16-22%とのこと。 5年生存割合は20-25%でしたから、この1年間でも3-4%の変化があるようです。 Six-year Su…

・第II相Atezo-Brain試験・・・脳転移合併肺がんに対するアテゾリズマブ+カルボプラチン+ペメトレキセド

明らかな脳転移があって、何らかの神経症状を伴っている進行非小細胞肺がんの患者さんに対し、抗けいれん薬や高用量のステロイド(デキサメサゾン最高4mg/日、プレドニゾロン換算で40mg/日)を使いながら、あえて全脳照射や定位脳照射よりもアテゾリズマブ+…

・胞巣状軟部肉腫(Alveolar Soft Part Sarcoma)とアテゾリズマブ

Alveolar Soft Part Sarcoma・・・。 肺がん診療に携わっている専門医ですら、その大半はこの病名を耳にしたこともないのではないでしょうか。 15年前、たくさんの胸部悪性腫瘍が集まる修行先に身を置いていた2年間でも、この腫瘍に接したのはわずかに1回き…

・米国食品医薬品局 PralsetinibをRET融合遺伝子陽性非小細胞肺がん治療薬として通常承認

RET肺がんの義父がセルペルカチニブを服用し始めてから、1年9ヶ月が過ぎました。 食欲不振、血圧上昇、過敏症、ネフローゼ症候群などさまざま有害事象に見舞われました。 病勢はひいきめに言って小康状態(SD)です。 最近では肺血栓塞栓症を合併して重症呼…