2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

・エドルミズと高血糖

エドルミズの市販直後調査の結果が報告されていたので眺めてみました。 https://www.ono-oncology.jp/system/files/2021-09/ADM_houkoku_0.pdf 胃腸障害が28件で最多ですが、そのうち最も多かったのは悪心で13件、全て非重篤でした。 続いて一般・全身障害お…

・セルペルカチニブ、製造販売承認

RET阻害薬、セルペルカチニブの製造販売承認が2021/09/27付で下りたとのことです。 →https://news.lilly.co.jp/down2.php?attach_id=817&category=19&page=1&access_id=2151 ・RET阻害薬、セルペルカチニブがやってくる →http://oitahaiganpractice.jungleko…

・ドライバー遺伝子変異陽性患者におけるPACIFICレジメンの有効性

免疫チェックポイント阻害薬とドライバー遺伝子変異陽性肺がんとの関連性についての話題です。 これまでに得られている知見は、 ・免疫チェックポイント阻害薬使用後にチロシンキナーゼ阻害薬を使うと、薬剤性肺障害のリスクが高い ・免疫チェックポイント阻…

・肺がんの危険因子

昼過ぎにふと手に取った雑誌に、肺がんの危険因子が特集されていました。 箇条書きにして書き残します。 <喫煙> ・喫煙者では非喫煙者に比べ男性で4-5倍、女性で2-3倍肺がん死亡率が増加する ・喫煙本数に依存して発がん率が高くなり、1日に35本以上の重喫…

・オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか

今回の報告では、二次治療でオシメルチニブが導入され、その後に病勢進行した患者が対象ということで、現在の実臨床とは乖離があるかも知れません。 また、耐性機序に即して分子標的薬の治療を選択したとはいえ、既存の治療薬を使いまわしただけなので、今回…

・EGFR/ALK陽性非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法

いわゆるKEYNOTE-189レジメンをチロシンキナーゼ阻害薬無効となったEGFR/ALK異常陽性非小細胞肺がん患者さんに適用したらどうなるか、という臨床試験です。 患者集積不良で早期終了になったとはいえ、EGFR遺伝子変異陽性患者は目標の28人中26人まで集積でき…

・CheckMate9LA試験 脳転移の有無でサブグループ解析

後付けのサブグループ解析であるため、エビデンスとしての質はそれほど高くないかもしれません。 それでも、この報告を見ると、脳転移を有する進行非小細胞肺がんの方にはニボルマブ+イピリムマブ+化学療法を第一選択としたくなります。 そのくらい、生存…

・ドライバー遺伝子異常検出におけるジレンマとmultiplex PCR

非小細胞肺がんの診療において、ドライバー遺伝子異常、PD-L1陽性割合といったバイオマーカー評価の重要性は今更いうまでもありません。 どちらも様々な手法で調べられてきて、1薬剤につき1コンパニオン検査での診断しか認めないという不毛極まりない時期が…

・人工知能による胸部レントゲン読影支援

最近の人工知能は、胸部レントゲン読影における結節影検出のお手伝いもしてくれるようです。 ・EIRL Chest Noduleへのリンク →https://eirl.ai/ja/eirl-chest_nodule/ 見落としの頻度が減るのはとてもよいことです。 ときには過剰診断になることもあるかもし…

・中国人患者におけるRET阻害薬(Selpercatinib, Pralsetinib)の有効性

中国人を対象としたRET阻害薬のデータが公表されていました。 SelpercatinibもPralsetinibも、奏効割合という点では変わりはなさそうです。 Pralsetinibでは骨髄抑制の有害事象が目立ちます。 Efficacy and Safety of Selpercatinib in Chinese Patients Wit…

・オシメルチニブによる術前療法・・・NeoADAURAの前哨戦

昨年来、オシメルチニブによる術後補助療法のADAURA試験が大きな話題となっており、既に我が国でも適応拡大申請が成されています。 →https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000336.000024308.html 臨床研究の焦点は、既に術前治療のステップに移っています。…

・BRAF遺伝子変異と縁がありません

BRAF遺伝子変異と縁がありません。 大分県内ではほとんどBRAF変異陽性肺がんは見つかっていないようです。 この記事を書いた段階で、大分県内で3人報告があり、うち2人は1施設に集中していて、ダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法を施行中なのだとか。 あ…

・RET阻害薬、セルペルカチニブがやってくる

取り上げるのが少し遅くなってしまいましたが、RET融合遺伝子陽性肺がんに対する分子標的薬、セルペルカチニブがそろそろやってきそうです。 2021/07/30に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で、RET融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細…

・非小細胞肺がんの周術期治療をどのように考えるか

先日から、訳あって留学生の入院担当医をしています。 むこうもnon-native、こちらもnon-nativeで、ちょっとだけ日本語、ほとんど英語でのやり取りを余儀なくされています。 頑張ってしゃべっているつもりだが、なかなかうまくいきません。 今日は便秘に関す…