2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ついに岩手県でもCoVID-19発生

ついに「聖域」岩手県でも新型コロナウイルス感染患者が発生した様子。 こうしてみると、大分県はいつの間にか、相対的に患者数が少ない都道府県になってしまった。 着実に感染は交通網を介して広がっていると感じられる。 県外移動者、旅行者が増えたのだか…

経気管支肺生検の下準備

他のがんと同じく、肺がんも確定診断がつかなければ治療指針が立てられない。 多岐にわたるドライバー遺伝子変異の検索、PD-L1発現状態の情報が不可欠となり、気管支鏡による生検診断の重要性は増す一方である。 研修医の頃には気管支鏡の正しく持つことすら…

レイ・ダリオが経験したセカンド・オピニオン

ものの考え方が偏らないようにと思って、週末はできるだけ一般書を読むようにしている。 今読んでいるのは、レイ・ダリオの「PRINCIPLES」という書籍。 金融の会社を長く経営してきた方のようだが、人生や仕事においてよって立つ原理・原則をまとめたのだそ…

国内感染状況と全国新幹線網

新型コロナウイルスPCR陽性者数、全国的に増加の一途をたどっている。 発症者の年代、地域、背景など、多様性に富み始めた。 東京都を除いたGo To トラベル キャンペーンが始まったそう。 お出かけする前に、以下の2枚の地図をよく見比べてほしい。 お出かけ…

線を引いて、のちに検証する

以前、勤め先で感染対策委員会の委員長を務めていたときは、インフルエンザ流行期の対策立案で、随分と「線引き」に苦労した。 今では随分一般的になった「濃厚接触者」という用語。 院内でインフルエンザ患者が発生したとき、どんな患者・職員を「濃厚接触…

SARS-CoV-2の傾向と対策

経済を救うために警戒を緩めて、予想通り揺り返しがやってきた。 国の施策を批判する向きもあるが、経済を救うためにやむを得ず、という面もあるのだろう。 新型コロナ感染は免れたけれど、経営や生活に困窮して自ら命を絶つ、というような事態も十分に起こ…

患者提案型・医師主導治験「KISEKI trial」、計画進行中

EGFRチロシンキナーゼ阻害薬既治療T790M耐性変異陰性、もしくは中枢神経系転移による病勢進行後の非小細胞肺がん患者を対象としたオシメルチニブ投与の有効性を検証する「KISEKI」試験が進行中とのこと。 おそらく実地臨床では既に一定数行われているであろ…

第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬使用後の中枢神経転移を有する患者に、オシメルチニブ「倍返し」

オシメルチニブを含む第3世代チロシンキナーゼ阻害薬使用後に中枢神経転移(脳転移、髄膜癌腫症を含む)で病勢進行に至った患者に、オシメルチニブを「倍返し」するという臨床試験が行われたようだ。 毒性について、肝障害に関する記載はないが、下痢はGrade…

KEYNOTE-799試験 化学免疫放射線療法

現在のところ、局所進行非小細胞肺がんにおける免疫チェックポイント阻害薬の出番は、化学放射線療法後のデュルバルマブ維持療法のみである。 今回の臨床試験では、ペンブロリズマブを同時併用で開始して、最大17コース(1年間)続けるというもの。 治療スケ…

・いまさらと言われるのを覚悟でLUME-Lung 1試験のおさらい

既治療進行非小細胞肺がんに対するドセタキセル+ニンテダニブの有効性を検証したLUME-Lung 1試験について触れます。 欧州では標準治療のひとつとされていますが、我が国では肺がんに対するニンテダニブの保険適応はなく、抗腫瘍薬としては使用できません。 …

局所進行非小細胞肺癌に対する術前化学免疫療法

術前化学療法にデュルバルマブを絡めて、治療成績を上げようというコンセプトの第II相試験。 似たような試験は我が国でも行われているが、期待していいのではないだろうか。 SAKK 16/14: Anti-PD-L1 antibody durvalumab in addition to neoadjuvant chemoth…

・第II相CITYSCAPE試験 Tiragolumab+アテゾリズマブ併用療法

少し前に、抗TIGIT抗体Tiragolumabについて、以下のような記事を書きました。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e974049.html 2020年のASCO年次総会で、Tiragolumabのランダム化第II相試験についての報告があったようです。 どうもPD-L1≧50%ならば…

・CheckMate227試験とCheckMate9LA試験

免疫チェックポイント阻害薬は、高額医療でありながらも、肺がん薬物療法の領域では確固たる地位を築きました。ドライバー遺伝子変異陰性なら、早い段階で免疫チェックポイント阻害薬を使用することを考えなければなりません。PD-L1発現割合が50%以上ならペ…