2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Rociletinib(CO1686)後のOsimertinib(AZD9291)

少数の報告ではありますが、Rociletinib治療後のOsimertinibの効果について、JAMA oncologyに報告がされています。 Osimertinib Responses After Disease Progression in Patients Who Had Been Receiving Rociletinib Lecia V. Sequist, MD, MPH; Zofia Pio…

進行期肺癌の骨転移合併頻度

癌の骨転移は、厄介な病態です。 痛みはもちろんですが、骨転移が起こる部位によっては、患者さんのQOLが著しく阻害されるとともに、動くことができなくなってしまったら薬物療法そのものができなくなる危険性があります。 背骨の転移が大きくなったら脊髄を…

pseudo-progression?

ニボルマブを開始されたある肺癌患者さん、開始1週間後の段階では、患者さんはピンピンしていて何事も起こっていないようです。 一方、胸部レントゲンで見る限り、わずかながら腫瘍が大きくなっているようでした。 これまでの経過からすると腫瘍そのものの増…

化学療法による末梢神経障害とその後の生活について

肺癌のみならず、抗がん薬による化学療法はしばしば手足のしびれを主な症状とする末梢神経障害を引き起こします。 実地医療では漢方薬や抗けいれん薬などを使うことにより、神経性の痛みを緩和する試みがなされますが、感覚障害そのものを改善する治療はほぼ…

ニボルマブ、DPC病院でも使いやすくなりました。

ニボルマブ、非小細胞肺癌で使えるようになったはいいものの、入院治療費が病名によって包括(まるめ)算定される仕組みのDPC対象病院ではどうやって使用するべきか、このところ問題になっていました。 治療者はできるだけ安全に使用するために、患者さんに…

髄液移行性の良いEGFRチロシンキナーゼ阻害薬

今朝は半日の院外出張で、少し勉強する時間があったので雑誌を読んできました。 近畿大学の小林先生、光冨先生共著の文章に、脳転移を有する患者さんの治療戦略について記載がありました。 2015年の米国臨床腫瘍学会での報告から2題が取り上げられていました…

悪性胸膜中皮腫とベバシツマブ

昨年の米国臨床腫瘍学会で発表された、悪性胸膜中皮腫に対するシスプラチン+ペメトレキセド+ベバシツマブ併用療法の報告(IFCT-GFPC 0701試験)が、The Lancet誌に発表されていました。 関連記事は以下に記してありますが、改めて論文の要約を以下に記しま…

再生検は臨床試験参加への大きな壁になっている

このところ、病勢進行後の再生検が取りざたされることが多く、私自身も興味を以て本ブログでよく取り上げています。 病勢進行時の病状を把握するうえで意義ある取り組みであることは論を待ちませんが、技術的な問題や、今回取り上げるような臨床試験参加上の…

EGFRチロシンキナーゼ阻害薬による術後補助療法

昨年の日本肺癌学会総会の抄録を整理していて、まだブログに記載していない話題が山のように残っていたことに気づきました。 テーマは様々あるのですが、今日はEGFRチロシンキナーゼ阻害薬による術後補助療法について触れます。 既に報告されている第III相試…

HASAT(HAnshin-SAga T790M) study

あけましておめでとうございます。 今日は、EGFR遺伝子変異を血液検査で調べようという、いわゆる「リキッド・バイオプシー」の話題です。 第3世代EGFR阻害薬使用前に、T790M変異の有無を確認するには再生検が必要、という話題をこのところしばしば取り上げ…