2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

FDAがBrigatinibを承認

Brigatinibが米国食品医薬品局に承認された様子。 承認された使用法では8%強が継続困難な有害事象に見舞われるとのこと。 どっちかというと、Alectinibを使いたい。 FDA Approves Brigatinib for Metastatic ALK-Positive Non?Small Cell Lung Cancer By The…

PD-L1評価の一致率

当院からこれまでに2件、経気管支肺生検検体をPD-L1評価に提出した。 1件は扁平上皮癌、1件は腺癌の患者だ。 前者は22C3抗体のみ、後者は22C3抗体、28-8抗体両方で評価した。 前者は5%の陽性率、後者は22C3抗体が30%、28-8抗体が5%の陽性率だった。 後者はP…

デジタル病理診断

天才子役といわれたある女優さんが 「将来は病理医になりたい」 と語っていた。 以前も触れたが、細胞診技師や病理医は社会的にもっと尊敬を集めるべき職種だ。 大きな負担と責任を伴う。 勤務時間のかなりの時間を顕微鏡と向き合って過ごすのだが、私も研修…

EGFR陽性肺癌が小細胞癌にかわったとき

コメント欄で、難しい患者の相談を受けた。 稀な病態ながら、こうなってしまうと患者、家族、主治医とも、相当に困るだろう。 参考になるかどうかは甚だ不安だが、できる限りの回答をした。 コメント欄だけのやり取りではもったいないので、こちらにも記録を…

菅原道真公と日本人

第57回日本呼吸器学会総会 2017年4月22日 基調講演 <菅原道真公と日本人>大宰府天満宮 宮司 西高辻信良氏:菅原道真から数えて39代目の直系の子孫 宮司に近しい方が、昨年50代後半で亡くなられたとのこと 診断は原発性肺腺癌、診断から3年後に死亡、その後…

血管新生阻害薬と免疫チェックポイント阻害薬

第57回日本呼吸器学会総会 2017年4月22日 シンポジウム5 肺癌の分子標的治療の最新情報−ガイドラインを見据えて S5-3:血管新生阻害薬は肺がん治療の名脇役 ・ECOG4599 Sandler NEJM 2006 1st line CBDCA+PTX+BV vs CBDCA+PTX pIII BV併用療法が全生存期間…

免疫チェックポイント阻害薬と肺合併症

第57回日本呼吸器学会総会 2017年4月21日 シンポジウム2 免疫チェックポイント阻害薬と肺合併症 <免疫チェックポイント阻害薬の作用機序と治療戦略> ・免疫療法の開発は、非特異的免疫療法から特異的免疫療法へ ・生態にとって有害となる免疫応答を抑制す…

免疫チェックポイント阻害薬導入によるパラダイムシフト

第57回日本呼吸器学会総会 2017年4月21日 ランチョンセミナー1 <免疫チェックポイント阻害薬導入による進行非小細胞肺癌治療体系のパラダイムシフト> ・腎細胞癌右胸壁転移に対して免疫チェックポイント阻害薬を使用したところ、右胸水が急速にたまってき…

経済・財政と国民医療

第57回日本呼吸器学会総会1日目(2017年4月21日) 招請講演1 <経済・財政と国民医療−国民皆保険と薬剤費をめぐる問題> ・最先端医療と日常診療の落差は開く一方 ・オプジーボは、当初懸念されたほどの販売額の伸びは見られなかった ・日本の医療保障制度…

第I相臨床試験における、ニボルマブ投与患者の5年生存割合

2017年4月1日から5日にかけて開催されたAACR年次総会で、進行非小細胞肺癌に対するニボルマブ第I相試験の5年生存割合が16%だったと報告された。 CA209-003試験は、標準治療後に病勢進行に至った進行非小細胞肺がん患者を対象に、PD-L1発現の有無に関わらず…

世界の喫煙状況

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(17)30819-X/fulltext Smoking prevalence and attributable disease burden in 195 countries and territories, 1990?2015: a systematic analysis from the Global Burden of Disease Stud…

ALEX試験

日本で行われたJ-ALEX試験に続き、国際共同第III相臨床試験であるALEX試験でも、無増悪生存期間延長に関するクリゾチニブに対するアレクチニブの優越性が証明されたらしい。 これで、一次治療におけるアレクチニブの位置づけはほぼ確定したと思われる。 http…

30%・・・

首を長くして待っていたPD-L1の検査結果が返ってきた。 30%・・・。 微妙・・・。 少なくとも、初回治療の適応はない。 二次治療での効果はある程度期待できそうだが、本人は化学療法による初回治療は望んでいない。 ドライバー遺伝子変異は全て陰性で、分子…

Alectinibの効果、3年たってもまだ先は見通せず−AF001JP試験

Alectinibの効果、果たしていつまで続くのか。 ALK阻害薬治療歴のないALK融合遺伝子陽性患者に対するAlectinibの有効性を検討するAF001JP試験、3年の経過観察期間をおいてもまだ生存解析の先行きが見通せないとのこと。 今回の論文では、Alectinibの効果の息…

全身状態が悪いALK陽性患者さんへのAlectinib(LOGiK1401)

状態が悪い(=PS2以上)EGFR遺伝子変異陽性の肺がん患者さんにgefitinibが有効なことは既に示されていた。 →http://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/jco.2008.18.7658 今回の報告は、同じくPS2以上のALK融合遺伝子陽性の肺がん患者さんにalectinibが有効かど…

免疫チェックポイント阻害薬と免疫関連肺臓炎

非小細胞肺がんは治療の選択肢が増えたが、黒色腫ではBRAF変異がなければ、免疫チェックポイント阻害薬以外にはパッとした治療法がない。 皮膚科と呼吸器内科の間で、免疫チェックポイント阻害薬の再開をすべきか否か、という議論が持ち上がっていたが、Grad…