デジタル病理診断

 天才子役といわれたある女優さんが

 「将来は病理医になりたい」

と語っていた。

 以前も触れたが、細胞診技師や病理医は社会的にもっと尊敬を集めるべき職種だ。

 大きな負担と責任を伴う。

 勤務時間のかなりの時間を顕微鏡と向き合って過ごすのだが、私も研修時代は「顕微鏡酔い」による吐き気でかなり苦しんだ。

 女優さんが首尾よく病理医になれたころには、もしかしたら光学顕微鏡による診断は過去のものとなっていて、デジタル病理診断が当たり前になっているかもしれない。

 早く普及して、少しでも細胞診技師、病理医の業務負担が軽くなるといい。

 

 それでも、摘出臓器からプレパラートを作成する作業、診断に関わる大きな責任は依然として残るわけで、細胞診技師・病理医が大変な仕事であることには変わりない。

FDA Permits Marketing for Digital Pathology Solution for Primary Diagnostic Use

By The ASCO Post

Posted: 4/18/2017 2:54:25 PM

Last Updated: 4/18/2017 2:54:25 PM

 米国食品医薬品局は、ホルマリン固定・パラフィン包埋された外科切除標本から作製されたプレパラートのデジタル画像を病理診断医が利用するためのシステム、「the Philips IntelliSite Pathology Solution (PIPS, Philips Medical Systems Nederland B.V.)」の販売を承認した。

 PIPSは自動的にデジタルスライドを作成・管理するシステムで、デジタル病理診断システムとしては米国食品医薬品局が承認した初めてのものだ。

 米国食品医薬品局は、PIPSの品質や安全性について、生体材料を用いたデータを確認した。約2000以上の外科病理標本を用いて、複数の地域、診断医、臓器、手段にわたる臨床試験の結果を評価した。従来型のスライドグラスを用いて光学顕微鏡で評価する場合に対し、PIPSを使った場合に、診断の不一致率の観点で非劣勢を示せるかどうかを主要評価項目とした。PIPSでの不一致率は4.7%、公影区顕微鏡での不一致率は4.4%、PIPSと光学顕微鏡の間の不一致率の差は0.4%だった。

PIPSに関する詳しい情報は以下のリンクから。

https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf16/DEN160056.pdf.