2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

肺癌における最強のTKI後の治療戦略

2019年 日本臨床腫瘍学会 やけに大上段に構えたシンポジウム名で、思わず参加してしまった。 冒頭はスイスの演者、トリは米国の演者。 米国の演者の方が、英語が聞きやすかった。 スイスの演者はドイツっぽい訛があるように感じた。 実地臨床で、どんな風に…

統計学的有意差と一般人の感覚

2019年 日本臨床腫瘍学会より 肺癌臨床研究の領域では、非喫煙 / 軽喫煙者の進行非小細胞肺癌に対するgefitinib vs CBDCA+PTXの効果を検証したIPASS試験の結果が公表されたあたりから、生存曲線の比例ハザード性が必ずしも成立しない(放物線の下降部分のよ…

ゲノム医療を開始するに当たっての環境 Oncoguide NCC Oncopanelに関連して

2019年 日本臨床腫瘍学会から 遺伝子プロファイリングを実施する環境についてのシンポジウム。 本当は、熊本の基幹病院の先生からの発表があったはずで、地方実地医療での遺伝子プロファイリングがいかに難しく、報道が先行したために現場が混乱しているとい…

がんゲノム診療 元年・・・ではあるけれど・・・

2019 日本臨床腫瘍学会総会 1日目から 今年の日本臨床腫瘍学会のテーマは「がんゲノム診療 元年」。 確かに、6月以降の趨勢を見ていると、今年のトピックスは次世代シーケンサー技術を用いた遺伝子プロファイリング検査の実地臨床への導入である。 スティー…

Best of ASCO 2019 雑記

うまく分類できないので、とりあえず書き付ける。 <ongoing studies of osimertinib> ・WJOG9717L: osimertinib+Bevacizumab, phase II ・TORG1833: osimertinib+Ramcirumab, phase II ・CheckMate-722: osimertinib+Nivolumab+Chemotherapy, phase III ・…

・第III相RELAY試験:全体解析と東アジア人集団のサブグループ解析

ASCO annual meeting 2019 Abst. #9000 日本臨床腫瘍学会年次総会 2019 Abst. #PS1-2 ・非小細胞肺癌において、EGFR遺伝子変異陽性となる患者の割合は欧米では10−20%、アジア人では40−60%とされている ・EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌患者にEGFR阻害薬を使…

・NEOSTAR試験:術前ニボルマブ±イピリムマブからの根治切除

2019年日本臨床腫瘍学会が京都で開催されており、私も参加しています。 見聞録は後に記載しますが、まずは京都アニメーション社屋の火災で犠牲になった(現時点で)33人の方々にお悔やみを申し上げます。 悪性腫瘍と戦う患者さんを少しでも支えたいと皆が集…

LCMC3試験:術前アテゾリズマブ+根治切除+術後化学療法

ASCO 2019 Abst. #8503 Neoadjuvant Atezolizumab in Resectable Non-Small Cell Lung Cancer(NSCLC): Interim Analysis and Biomarker Data From a Multicenter Study (LCMC3) ・LCMC3は切除可能なIB期、II期、IIIA期、一部のIIIB期の未治療非小細胞肺癌患…

ハートに火をつけて・・・悪性胸膜中皮腫とCAR-T療法・免疫チェックポイント阻害薬

免疫チェックポイント阻害薬が効きにくい"cold tumor"をCAR-T療法の力を借りて"hot tumor"にする・・・。 CAR-Tが火をつけるわけですね。 ASCO 2019 Abst.#2511 Regional delivery of mesothelin-targeted CAR T cells for pleural cancers: safety and prel…

・Best of ASCO Japan 2019より AMG510...KRAS G12C阻害薬

KRASといえば、免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子の一つです(と私は勝手に考えています)。 記事としては見つけられませんでしたが、ニボルマブの効果予測因子としてKRAS遺伝子変異が役に立つとの報告を何かの研究会で聞いたことがあります。 今回…

・Best of ASCO Japan 2019より  がん免疫の抑制/逃避のメカニズムを理解する

Best of ASCO Japan 2019に参加したときのメモです。 興味がある方はどうぞご覧ください。 LAG-3やTIGITを標的とした治療薬は、すでに開発されつつありますね。 〇免疫チェックポイントの標的分子がさまざまある中で、なぜCD28は開発対象から外れたのか ・CD…

インドネシアでの肺がん診療

2019年 日本呼吸器内視鏡学会総会 最近の学会では、アジアの先生方をお招きして講演をして頂く機会が増えている。 今回はインドネシアの先生からのご発表。 以前日本でも研修をされて、現在はインドネシアの医療を前に進めるために奮闘しておられるとのこと…

ASCO 2019 review トップ会談

2019/06/21のウェブ講演会。 肺癌領域では巨頭として知られる大阪の先生と和歌山の先生がASCO2019の話題について談義を繰り広げていた。 司会をして若手にしゃべらせる、というわけではなく、巨頭同士がトピックスについて簡単にまとめて、あとは思い付きの…

次世代シーケンサー時代の肺生検に求められるもの

2019年 日本呼吸器内視鏡学会総会 <肺癌診療に求められる検査/検体取り扱いについて> ・提出検体に占める腫瘍細胞の割合は30%以上が求められる ・2019/06/01に承認された遺伝子診断パネル 1)Oncomine 保険点数は11,700点=自由診療なら117,000円 用途はコ…

RepotrectinibとROS1肺癌

出典不明。 ASCO2019だったかしら。 repotrectinibは次世代型のチロシンキナーゼ阻害薬で、ROS1、TRK、ALK各融合遺伝子に対して選択性を持つように創薬された。前臨床試験において、repotrectinibはとりわけROS1融合遺伝子耐性変異(G2032Rを含む)に対する…

ロボット気管支鏡

2019年 日本呼吸器内視鏡学会総会 <Use of Robotic Bronchoscopy to diagnose solitary pulmonary nodules> オーストラリアの先生がご発表。 もはや、経気管支肺生検は、気管支鏡を握らなくてもできるところまで来つつある。 学会から帰ってきてHPを覗いて…

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その12 アファチニブ関連の発表

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録 <EGFR遺伝子変異陽性の高齢者肺癌に対するアファチニブ療法の第III相試験(埼玉)> ・アファチニブ30mg/日を開始容量とした ・主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は奏効割合と全生存期間とした ・適格基準は …

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その11 オシメルチニブ使用成績調査

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録 <オシメルチニブ市販後使用成績調査> ・予定された対象患者数は3,000人 ・2nd line以降(EGFR遺伝子変異阻害薬による一次治療→病勢進行→その後の再生検でT790M陽性となった患者)の患者データ ・患者集積期間は1年間 ・…

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その10 ドライバー遺伝子陽性肺癌

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録 ・とにかくドライバー遺伝子変異検索にはやたらと手がかかる EGFR遺伝子変異 realtime PCR 要プレパラート5枚 ALK融合遺伝子 FISH or 免疫染色 要プレパラート3枚+4枚 ROS1融合遺伝子 RT-PCR 要プレパラート5枚 BRAF遺伝…

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その9 呼吸器病理医の現状と問題点

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録 ゲノム医療の話題が多い今日この頃だが、そもそも肺癌という診断は、病理診断に基づいている。 病理医の先生がいないと、我々の診療は入り口にすら立てないのだ。 全国の病理医の先生にお願いしたアンケート調査の結果か…

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その8 日本呼吸器学会将来計画委員会

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録 肺がん診療と直接関係ないけど、「がん診療のきんてん化」を考える上では重要な話。 <将来計画委員会の目標> ・学会員、専門医を増やす ・男女共同参画社会を目指す ・労働環境の是正に寄与する <他学会と比較> ・会…

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その7 EGFR遺伝子変異とPD-L1の関係

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録 International Poster Discussionという、企業ブースの片隅のような会場でひっそりと行われたセッションだった。 しかし、台湾から来日されていた先生のご発表は、とても示唆に富むものだった。 The Impact of Pre-treatm…

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その7 初回ICI-combo-therapy時代の治療戦略

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録 免疫チェックポイント阻害薬と抗がん薬併用療法の展望 ・KEYNOTE-001 study Garon et al. NEJM n=1,235のphase I studyということ自体が、大きなパラダイムシフトだった phase Iの経過を見つつ、有望な治療群には追加の患…

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その6 お年寄りへの免疫チェックポイント阻害薬

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録 今度はお年寄りへの免疫チェックポイント阻害薬の話題、岡山から。 ・75歳以上の患者へ免疫チェックポイント阻害薬を投与した場合のデータは不十分 ・G8、VES-13でスクリーニング ・2015年12月から2017年12月までの期間に…

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その5 特発性間質性肺炎合併患者へのニボルマブ

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録 日常業務が多忙すぎて、記事が思いっきり周回遅れになってしまった。 学会出張で地元を抜け出したのをいいことに、学会中の手書きノートを頼りに記事を書き残す。 走り書きなので、もはや誰の発表なのかも分からないのが…