2019年 日本呼吸器内視鏡学会総会
<肺癌診療に求められる検査/検体取り扱いについて>
・提出検体に占める腫瘍細胞の割合は30%以上が求められる
・2019/06/01に承認された遺伝子診断パネル
1)Oncomine
保険点数は11,700点=自由診療なら117,000円
用途はコンパニオン診断のみ
実際には、46遺伝子について検索をする
研究目的で医師の申請があれば、46遺伝子全てについての結果を得られる
通常報告ではEGFR T790M変異が確認できない
→EGFR遺伝子変異陽性進行非小細胞肺癌の初回標準治療がオシメルチニブとなった今ではあまり影響はなさそう
EGFR C797S変異も検出可能
国内全ての施設で利用可能
SRLが受注し国内で検査
細胞診検体でも受注可能
結果が返ってくるまでの期間は11-14日間
→結果を急いで確認したい場合には、従来の検査法も選択肢
2) Foundation One
保険点数は個別の遺伝子変異検査に認められた点数の積算で算出
コンパニオン診断、遺伝子プロファイリングいずれも可能
一旦試料を米国に送るので、結果が返ってくるまでに時間がかかる
5mm×5mm=25m?の検体提出が求められる
→経気管支肺生検やCTガイド下針生検の検体では事実上不可能なサイズ
3) Oncoguide-NCC Oncopanel
遺伝子プロファイリングのみで、コンパニオン診断としては認可なし
次世代シーケンサー検索によって見つかった結果を専門化パネルで議論し、その結果に基づく、という形であれば、結果をコンパニオン診断で確認する作業は不要
→結果を実地臨床に反映させるには専門化パネルでの議論が必須
・骨転移巣を生検し、脱灰処理をする場合には遺伝子検査には不適
・細胞診検体をできるだけ活用したい
→生食浮遊液として採取の後、遠心にかけてペレットとして保存する
・Sakakibara et al, Clin Lung Cancer 2019
ALK融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺癌に対し、治療経過中にOncomineで検索
クリゾチニブ→アレクチニブ→クリゾチニブ→アレクチニブ→ロルラチニブ
EML4-ALK variant2とともに、G1269A ゲートキーパー変異が新たに見つかった
G1269Aの浸透率は36%だった→提出された検体に含まれる腫瘍細胞の36%がG1269A変異を有していた(VAF, variant allele frequency=36%)