初回診断時から複数の肺癌ドライバー遺伝子変異を同時に調べることができるマルチプレックス変異検索検査として、オンコマインDxターゲットテストマルチCDxに加え、AmoyDx肺癌マルチパネルIVDが利用可能になりました。
AmoyDxは、提出検体が未染プレパラートか、あるいは凍結標本か、という区別だけでなく、未染プレパラートについては検体採取時期がいつごろかについても細かく区分されています。
時間が経過しているほどPCRがかかりにくい、という背景があるのかも知れません。
・SRLより、新規保険収載項目および検査実施料新設のお知らせ(2022年1月)
・SRLより、AmoyDx肺癌マルチパネルIVD新規実施項目のお知らせ(2022年1月)
オンコマインDxTTテストは、次世代シーケンサー技術を用いた検査であるがゆえに、必要な検体量が多いこと、検査感度がやや劣ること、検査所要日数が長いことがデメリットでした。
AmoyDx肺癌マルチパネルIVDはリアルタイムPCRによる遺伝子変異検索のため、検査感度の向上や検査所要日数の短縮が期待されます。
検査にかかる費用も40,000円ほど安くなるようです。
オンコマインDxTTテストではMETエクソン14スキップ変異が、AmoyDx肺癌マルチパネルIVDはRET融合遺伝子が、それぞれ以上の検出は可能ながらもコンパニオン診断としては認められていないというのが不便でなりません。
はやく是正され、one-fit-allの体制が整えられるとよいのですが。
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AmoyDx肺癌マルチパネルIVDは本来9種(EGFR, KRAS, BRAF, NRAS, HER2, PIK3CA, ALK, ROS1, RET)の遺伝子変異検索に対応可能なキットです。近い将来を見据え、KRAS、HER2、RETについてもコンパニオン診断として承認されるとよいのですが。
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新型コロナウイルス感染症のパンデミックや地政学的リスクに伴う供給不安を考えると、マルチプレックス診断キットを自国で開発、供給できるようにすることも考えなければならないかも知れません。
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