2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧
結局、ペンブロリズマブ投与継続中の患者さん、インフルエンザワクチンを接種した。 その翌日から感冒様症状と右下腹部痛が出現した。 ちょっと薄気味悪い。 ペンブロリズマブを使用していなければ、副反応として片付けられるが、「右下腹部痛」というのはな…
現在担当している患者さんのお話を少し。 もともと、うつ状態で神経内科に、高血圧で当科に、膵臓良性腫瘍で消化器内科に定期受診していた女性の患者さん。 ご主人も肺気腫を患っておられるとのことで、数年前から一緒に通ってくるようになった。 ご本人は不…
2017年版肺癌診療ガイドラインが公表された。 https://www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3 昨年の内容に比べると、やや抑制的にまとめられているような印象を受ける。 まだざっとしか眺めていないが、以下の治療については、記…
ペンブロリズマブを使っている患者さんから、 「インフルエンザワクチン、うっていいですか?」 と聞かれた。 困ってしまった。 免疫を賦活する治療をしている最中に、ワクチンをうったらどうなるのか。 ブースト効果っぽく、効果が高まるのか。 過剰な免疫…
黒柳徹子さんの「窓際のトットちゃん」を読んだ。 感想を書いて送ってくださった方だけでも、読者は5歳のお子さんから、103歳のお年寄りにまで及んだそうだ。 自分のために書いてるブログ、と最近しょっちゅう言っているけれど、こういう本との出会いが…
新しい治療が開発されて、古い標準治療にとってかわる。 裏を返せば、新しい標準治療が確立されれば、古い治療は埋もれていく。 だけど、実際にはそうならないこともある。 誰も表立って言わないけれど、治療選択する上で、臨床試験における治療成績の好悪と…
2016年末は、KEYNOTE-024とCheckMate-026の話題で暮れていった。 今年はIMpower150で暮れていく。 Atezolizumab+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブという、国民医療費をさらに跳ね上げて末梢神経障害に苦しむ患者を大量生産しそうな治療の話題だが…
11月の半ば、上司(厳密に言うと職場がかわったので上司ではないのだけれど、個人的に尊敬の念を込めて今でも勝手に上司と言っている)から本ブログについてご指摘を頂いた。 「先生のブログ、怪しい免疫療法の宣伝に利用されてるけど、知ってる?」 「ど…
完全切除後のEGFR変異陽性非小細胞肺がんに対する術後補助EGFR阻害薬療法の位置づけは、まだ定まらず。 しかし、完全切除後の非小細胞肺がんに対する術後補助ベバシズマブ療法は要らないみたい。 そんな臨床試験結果が、以下の論文に報告されていた。 https:…
EGFR遺伝子変異陽性で、同側肺門もしくは同側縦隔リンパ節転移陽性が確認された完全切除後非小細胞肺がん患者に対し、術後補助化学療法としてのゲフィチニブとシスプラチン+ビノレルビンを比較する第III相試験、ADJUVANT / CTONG1104試験。 ASCOでの発表後…
HIVとニボルマブ。 何の関係があるんじゃ、と言われそう。 最近、Annals of Oncology誌に症例報告が載っていた。 Drastic decrease of the HIV reservoir in a patient treated with nivolumab for lung cancer Guihot et al., Ann of Oncol 2017 51歳の喫煙…
修行先から持ち帰ったおみやげはいろいろある。 その中でも、今でも現役で役立てているのが、肺がん患者管理用のデータベース書式だ。 少しずつ手を加えながら使い続けている。 そろそろ運用開始から10年を迎える。 ときどき、ふと立ち止まるのだ。 局所進行…