ブログとネット広告

 11月の半ば、上司(厳密に言うと職場がかわったので上司ではないのだけれど、個人的に尊敬の念を込めて今でも勝手に上司と言っている)から本ブログについてご指摘を頂いた。

 「先生のブログ、怪しい免疫療法の宣伝に利用されてるけど、知ってる?」

 「どう考えてるの?」

ということだった。

 もちろん、知っていた。

 本ブログは、当初は自分が手に入れた知識をほかの人にも役立てられればいいな、という目論見もあって始めた。

 ただ、一時期、運営上かなりつらい目にあって(干渉を受けて)、それからというものは人のために役に立てば、ということはあまり考えなくなった。

 今は、過去に自分が調べたこと、考えたことをネット上で検索できるツールとして使っている。

 そのため、この領域についてかなりのリテラシーを持った人でないと理解できない内容も多分に含まれているはずだ。

 万人にわかるような平易な書き方は、今はもうしていない。

 そのため、自分が気にしなければいいや、ということで、怪しい宣伝リンクも放置してきた。

 ただ、そうも言っていられなくなった。

 最近の自由診療は巧妙になってきて、厚生労働省からの注意喚起が成されているにもかかわらず、

 「樹状細胞輸注療法+免疫チェックポイント阻害薬でより優れた腫瘍制御効果を!」

といった厄介なものまで出回るようになってきた。

 こうした怪しい自由診療の片棒を担ぐのは、やはり本意ではない。

 宣伝リンクが貼られていることで、自分まで色眼鏡で見られかねない。

 というわけで、ブログの運営会社にお金を払って宣伝リンクを外してもらった。

 日記を書くために、身銭を切ることになろうとは・・・。

 もっとも、ブログの運営会社としては、日記を書いている人か広告主からお金をもらわないと運営できないわけだから、仕方ないんだけど。