CLASSICAL-Lung試験:Pepinemab/Avelumab併用療法

 恥ずかしながら、セマフォリン4Dといわれても、何のことやらさっぱりわからなかった。

 以下のリンクを見て、ちょっとだけわかった気がした。

 http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2016/20161102_1

 肺がんの領域では開発が頓挫しているAvelumabだが、Pepinemabの助っ人で息を吹き返せるかどうか。

Preliminary Results Show Antitumor Activity With Pepinemab/Avelumab in Patients With Advanced NSCLC

Michael Rahman Shafique et al.

ASCO-SITC 2020, Abst.#75

背景:

 免疫チェックポイント療法の進歩にもかかわらず、非小細胞肺がん患者の多くは治療が効かなくなる。特異抗体によるセマフォリン4D(SEMA4D, CD100 )分子の阻害は、"immune exclusion"や骨髄抑制といった耐性機構を克服する可能性がある。重要なことに、抗SEMA4D抗体と種々の免疫療法の併用は、動物モデルを用いた前臨床試験における長期的な腫瘍縮小効果と同様に、T細胞の浸潤能や活性を増強した。Pepinemab(VX15 / 2503)はSEMA4Dを標的とした初のヒト化モノクローナル抗体である。

方法:

 CLASSICAL-Lung試験(NCT03268057)試験は、PepinemabとAvelumab(抗PD-L1抗体)をし、Pepinemabの免疫微小環境調整とAvelumabの免疫増強の相乗効果を評価することを目的とした。本試験は現在も進行中であり、免疫療法未施行(immunotherapy-naive, ION)もしくは免疫療法後病勢進行(immunotherapy-failure, IOF)の進行(IIIB / IV期)非小細胞肺がん患者を対象に、本併用療法の安全性、忍容性、効果を評価することとした。

結果:

 本併用療法は忍容性良好で、深刻な有害事象は発生しなかった。評価可能なIOF患者29人の中で、2人は部分奏効(PR)となり、先行するペンブロリズマブ療法後に耐性となったのちに、それぞれ63%、52%の腫瘍縮小を示した。15人は病勢安定(SD)の状態にあり、少なくとも5人の患者では23週間以上の持続する臨床効果を確認した。評価可能なION患者21人の中で、5人がPRとなり、臨床効果が1年以上持続している患者は3人、病勢コントロール割合は81%にのぼった。PRとなった患者11人、SDとなった患者13人について治療開始前、治療継続中の生検標本を評価したところ、CD8陽性T細胞密度の増加と腫瘍縮小効果が相関していた。

結論:

 今回の中間解析において、PepinemabとAvelumabの併用療法は忍容性良好で、抗腫瘍効果を示した。