2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「ふれあい」はAIでもオンラインでも代替不能

新型コロナウイルス騒ぎは、様々な発見を我々に与えている。 ・これだけ科学が発達しても、たった1種類の目に見えない無生物に、全世界が翻弄されてしまうこと ・交通インフラ、ネット社会が発達し、政治・文化・経済の世界的な結びつきが深まったため、ウイ…

NEJ-026試験の全生存期間解析・・・やっぱりそうですよね。

NEJ-026試験のことは以前に触れた。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e944390.html 全生存期間の解析結果が今回示されたわけだが・・・やっぱりそうですよね。 統計学的有意差はつかなかった。 ベバシズマブ上乗せは、無増悪生存期間は延長するが…

小細胞肺がんにはやっぱりPD-L1阻害薬?・・・CASPIAN試験のupdated data

CASPIAN試験のことは(ちょっと手抜きだけど)以前触れた。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e968112.html 今回のASCO 2020 virtual presentationでは、そのupdated dataが示されるらしい。 進展型小細胞肺がんに対して、プラチナ製剤+エトポシ…

KEYNOTE-604試験・・・統計学的にはほぼ優位だが、臨床的メリットがあると言えるのか

プレスリリースの時点で一度記事にした。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e969016.html 統計学的にはほぼ有効性が確認されたとしていいのだろうが。 ペンブロリズマブを上乗せすることで得られる無増悪生存期間の延長が0.2ヶ月(6日間)、全生存…

ゲフィチニブの術後補助化学療法は全生存期間を延長しないが・・・ADJUVANT-CTONG1104

ADJUVANT-CTONG1104は、過去に何度か扱った。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e919586.html 今回は、全生存期間に関する最終解析結果。 こうした試験デザインで、全生存期間が延長しないという現象は、もはや当たり前になってしまった。 しかし…

JCOG1205/1206・・・斜陽のイリノテカン

初期のパイロットスタディー立案に関わった立場としては寂しい限りだ。 小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がんの術後補助化学療法として、シスプラチン+イリノテカン併用療法の有効性を検証した本試験。 残念ながら、シスプラチン+エトポシド併用療法に対す…

新型コロナウイルスの陰に潜む、オリンピックイヤーのマイコプラズマ

我々はいま、医療人としての職業倫理を問われている。 新型コロナウイルス感染症が世界を席巻する中、多分医療人は3種類に区分されている。 新型コロナウイルス感染の可能性が少しでもあれば、診療を拒否するグループ。 新型コロナウイルス感染者を、積極的…

・抗TIGIT抗体、Tiragolumabの第III相試験 肺がんの一次治療で

日経メディカルの記事を眺めていて気がつきました。 中外製薬の新薬開発状況についてまとめられた中に、抗TIGITヒトモノクローナル抗体、Tiragolumabの臨床試験について触れられていました。 https://www.chugai-pharm.co.jp/ir/reports_downloads/pipeline.…

CoVID-19を合併した胸部悪性腫瘍患者に関する国際調査

CoVID-19を合併した胸部悪性腫瘍(ほぼ肺がんと同義と考えてよい)についての報告。 PCRで診断確定した患者のみならず、CoVID-19患者と濃厚接触した胸部悪性腫瘍患者も、更にはCoVID-19を思わせる臨床症状を呈している胸部悪性腫瘍患者までもが対象として組…