2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

RELAY試験のエルロチニブ+ラムシルマブ併用療法、無増悪生存期間を有意に延長

EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん患者を対象としたRELAY試験において、エルロチニブ+ラムシルマブ併用療法がエルロチニブ単剤療法と比較して無増悪生存期間を有意に延長したとのこと。 詳細はイーライリリー社のプレスリリースを参照。 https://news…

FLAURA試験、AURA3試験における耐性機序

今回簡単に取り上げた以下の2報からわかること。 オシメルチニブの初回治療と二次治療では、どちらも耐性機序の多数派を占めるのはMET増幅とC797X獲得変異のようだが、前者ではT790M変異が全く認められず、後者では約半数にT790M変異が残っている様子。 ・オ…

NEJ009試験の後治療

先だって、NEJ009試験における後治療について、読者の方から情報を頂いた。 ESMO 2018で発表されていたとのこと。 ちなみに、NEJ009試験の概要は以下を参照のこと。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e935374.html 解析時点で、GCP群で29人、G群で…

・L858R, Exon 19 deletion以外のEGFR遺伝子変異にはどんな治療がいいのか

記事を書くのをサボっている間に、世間は淡々と動いていたようです。 ブログにコメントを下さった方が丁寧に教えてくれたので、ESMO 2018の要約を眺める気になりました。 今回記載するのは、L858R、Exon 19 deletion以外のいわゆる稀なEGFR遺伝子変異の実態…

・CheckMate-384試験 ニボルマブは4週間隔での使用でも良さそう

私を含めて、投与間隔が2週間ごとと短いせいで、ニボルマブよりもペンブロリズマブを頻用している医師は少なからずいたのではないでしょうか。 今回のお話は、ニボルマブ、4週間ごとでもいいんじゃないの、という内容です。 いいらしいです。 ただし、対象…

米国食品医薬品局、進展型肺小細胞癌に対する初回アテゾリズマブ併用療法を承認

ついに、進展型肺小細胞癌の初回治療に、ほぼ20年ぶりに新たな治療が加わることになった。 免疫チェックポイント阻害薬のbig waveが、ついに小細胞肺がんの実地臨床の領域にも押し寄せてきたのだ。 FDA Approves Atezolizumab for Extensive-Stage Small Cel…

オシメルチニブの初回治療が効かなくなったらどうするのか

EGFR遺伝子変異陽性の進行肺腺がんに対して、オシメルチニブが初回治療で使えるようになってしばらく経過した。 そろそろ初回治療後の病勢進行を迎えた患者さんもちらほら見かけるようになった。 無増悪生存期間、全生存期間ともにゲフィチニブ/エルロチニブ…

最近のEGFR遺伝子変異検出状況

淡々と肺がん患者データベースを更新し続けていたが、更新するばっかりでなんの発信作業もしていなかった。 ふと思い立って調べてみたことを書き残す。 ここ5年間、呼吸器内科で診断作業に関わった新規肺がん患者数を調べてみた。 2014年度:95人 2015年度:…

小細胞肺癌に形質転換したEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌の予後

実地臨床では滅多にお目にかからないけれど、しばしば相談を受けるのは、EGFR肺がんの治療中に小細胞がんに変わってしまったという患者さん。 困ったことに、相談を受けた方々はみなさんタバコを吸わない人ばかり。 小細胞がんはタバコを吸う人の病気であっ…