・CheckMate-384試験 ニボルマブは4週間隔での使用でも良さそう

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 私を含めて、投与間隔が2週間ごとと短いせいで、ニボルマブよりもペンブロリズマブを頻用している医師は少なからずいたのではないでしょうか。

 今回のお話は、ニボルマブ、4週間ごとでもいいんじゃないの、という内容です。

 いいらしいです。

 ただし、対象となった患者はもともとニボルマブ2週間ごと投与を受けていて、病勢安定以上の効果が得られている(もともとニボルマブが一定の効果を示すことがわかっている)人ばかりだったようです。

 最初から4週間ごと投与をするわけではなく、治療効果が得られている人の通院負担を減らすこと(+医療者の業務負担を減らすこと)が目的のようで、投与量は変わりません。

 最初から4週間ごと投与でいけるなら、もっといいんだけど、そういう検証は考えなかったんでしょうか。

 

 

 

CheckMate 384: Phase IIIb/IV trial of nivolumab (nivo) 480 mg Q4W versus 240 mg Q2W after  12 months of nivo in previously treated advanced NSCLC.

 

Edward B. Garon, et al.

 

2019 ASCO-SITC Clinical Immuno-Oncology Symposium

Presented Thursday, February 28, 2019

 

背景:

 ニボルマブは、欧州および日本では2週間ごと、240mg/回の使用量で進行非小細胞肺がんの治療として承認されている。一方、アメリカ合衆国とカナダでは、2週間ごと、240mg/回もしくは4週間ごと、480mg/回の投与法のどちらも承認されている。さまざまな癌腫における薬物動態モデルでの解析では、効果・安全性は4週ごと投与でも保持されうると予測され、それゆえに4週間ごとの投与法はより利便性の高い治療選択肢になると考えられていた。今回、オープンラベル、無作為化第IIIb / IV相試験デザインで、進行非小細胞肺癌患者における4週間ごと投与法と2週間ごと投与法の効果・安全性を検証した。

 

方法:

 今回対象となったのは、組織学的に確定診断され前治療歴のあるIIIB/IV期もしくは術後再発非小細胞肺癌、ECOG-PS 0-2、3mg/kgもしくは240mg/回、2週間ごと投与による12ヶ月未満のニボルマブ治療歴が既にあり・連続2回以上の効果判定で完全奏効 / 部分奏効 / 病勢安定が確認されている患者329人だった。1対1の比率で480mg/回4週間ごと投与法の群(Q4W群)と240mg/回2週間ごと投与法の群(Q2W群)に無作為に割付けた。主要評価項目は割付後6ヶ月無増悪生存割合、割付後12ヶ月無増悪生存割合とした。副次評価項目には安全性を含めた。臨床試験遂行中に非小細胞肺癌における標準治療が刷新されたため、プロトコール改定を行い、集積予定患者数を縮小した。

 

結果:

 Q4W群に割り付けられた166人のうち164人が、Q2W群に割り付けられた163人のうち161人がプロトコール治療を受けた。経過観察期間の中央値はQ4W群で9.5ヶ月、Q2W群で10.2ヶ月だった。両群間で、患者背景に差異はなかった。無作為割付後無増悪生存割合は、6ヶ月時点、12ヶ月時点のどちらでも両群間で同等だった(表参照)。安全性プロファイルも両群間で同等で、治療関連有害事象発生割合はQ4W群で48%、Q2W群で61%、治療中止につながる治療関連有害事象発生割合はQ4W群で6%、Q2W群で9%だった。治療関連死は認めなかった。

 

結論:

 ニボルマブによる病勢コントロールが得られている患者においては、ニボルマブ480mg/回、4週間ごと投与法は効果・安全性両面で240mg/回、2週間ごと投与法と同等であることが示された。非小細胞肺癌に対する二次治療の選択肢として、4週間ごと投与法はより利便性の高い治療法となりうる。