2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
我が国において、アレクチニブはALK陽性肺がん初回治療の不動の第一選択と言っていいでしょう。 このことを決定づけた第III相臨床試験、標準投与量が我が国と他国で異なることから、我が国ではJ-ALEX試験として、他国ではALEX試験として施行されました。 今…
EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんの患者さんで、オシメルチニブに耐性化した後、どうするか。 普通に考えれば化学療法への移行というところだろう。 臨床試験では、オシメルチニブ+αの治療がいろいろと試されている。 オシメルチニブと、c-MET抗体−…
MET、NTRK遺伝子変異を検出するにあたって、保険診療上の歪みを指摘した要望書が、日本肺癌学会と日本肺がん患者連絡会から厚生労働省に宛てて提出されたとのこと。 もっともな話。 エキスパートパネルにかける必要すらないように感じる。 EGFR、ALK、ROS1が…
中学3年生の時の担任の先生の教えで、今でも肝に銘じていることがあります。 「美しい字を書く必要はないが、誰にでもわかる字を書きなさい」 私は幼稚園から高校まで書道を習いました。 しかしいまでは、書道で習ったことよりも、たったの一文で表された上…
テクノロジーの進歩とともに、失われていくものがあります。 新型コロナウイルスとともにリモートコミュニケーションが普及し、face to face交流の一部は確実に失われるでしょう。 そのほかに、最近失われたなあと感じるものを挙げてみます。 ・CDの普及とと…
ADAURA試験については、以前取り上げたことがあります。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e973395.html 無病生存期間の生存曲線を見て、目を瞠りました。 ハザード比0.17・・・。 そうそうお目にかかれない数字です。 本試験は、術後補助化学療法…
Foundation One CDxを発注し、ROS1融合遺伝子が検出されたが、そこに記された概略がとてもよくまとめられている。 勉強になったので、書き残す。 <ROS1融合遺伝子> ROS1がん遺伝子は、いくつかのシグナル伝達系(ERK1/2, PI3K, AKT, STAT3, VAV3)を活性化…
本日の就業前30分ごろ、病院の事務局長から呼び出しを受けた。 何の相談だろうと思ったら、近くの総合病院からアンケート回答依頼が来ているので、相談に乗ってほしいとのことだった。 最近、この総合病院に血液内科が新設された。 血液内科の医師が2人、常…
最近入院していたがん患者さんの疼痛管理がなかなか大変で、一晩中、ほぼ20分に1回の頻度で注射用麻薬のレスキュー投与を必要としていた。 当然、患者さん本人だけでなく、夜勤の看護スタッフはずっと気が休まらない。 私の疼痛コントロールの拙さからく…
肺がん診療と直接の関係はありませんが、「進行性線維化」を伴う幅広い間質性肺疾患に対して、ニンテダニブが保険適用されることになりました。 ニンテダニブもピルフェニドンも、対象疾患がほぼ特発性肺線維症に限定されていたため、これは大きな進歩です。…
何度でも繰り返すが、新型コロナウイルスは家族の絆を分断した。 進行がんで患者が苦しんでいて、遠く離れた家族と今こそ互いに会うべきときなのに、自粛という壁が立ちはだかる。 健康なときに家族を大切にしないと、いざというときに後悔することになる。 …
METエクソン14スキップ変異に対するテポチニブの有効性を検証したVISION試験の論文です。 New England Journal of Medicineに掲載されています。 Tepotinib in Non–Small-Cell Lung Cancer with MET Exon 14 Skipping Mutations | NEJM Paul K. Paik, M.D. e…