2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

肺小細胞癌に対するRova-T療法

小細胞癌に有望な薬はこのところ報告がなかったので、単独の記事として取り上げておきます。 ちょっと前のThe ASCO postからです。 肺癌領域では初めて(?)の抗体医薬−殺細胞性抗腫瘍薬複合体(昔はミサイル治療薬なんて呼称もありましたが)、小細胞癌領…

診断 / 検査から最新の個別化医療へ

第39回日本呼吸器学会総会 ランチョンセミナー7から。 実地臨床を意識した内容で、臨床医にとってはとても有益なお話でした。 ・gefitinib, erlotinib, afatinibはみなキナゾリン骨格を有する ・osimeritinibは唯一、ピリミジン骨格を有する→EGFR-TKIの中で…

ALK陽性非小細胞肺癌と経時的遺伝子プロファイリング

第39回日本呼吸器内視鏡学会総会 招請講演 Ignatius Ou先生 内容が濃すぎて、うまくフォローできませんでした。 ・serial biopsy ・膜型チロシンキナーゼ群のシェーマ:講演中、本論文のシェーマが繰り返し登場 Peter Blume-Jensen & Tony Hunter, Nature 41…

局所麻酔下胸腔鏡のキホン

第39回日本呼吸器内視鏡学会総会、教育講演より <局所麻酔下胸腔鏡の基本> 組織診断の重要性が増し、それとともに局所麻酔下胸腔鏡の需要も増すでしょう。 ・セミフレキシブル胸腔鏡を導入している施設は日本全国に約180ある ・安全性の検討は、論文報告済…

liquid biopsyによるOsimertinibの効果予測

先日のランチョンセミナーの最後、標記の内容がちょっとひっかかったので、調べてみました。 組織検体と血清検体におけるT790M検索結果の一致率は70-80%程度、組織検体の結果はかなり正確に治療効果予測に役立つものの、血清遺伝子タイピングは結果が陰性だ…

中国におけるALK陽性肺癌に対するCrizotinib初回治療 ASCO2016

「東アジアにおけるPROFILE 1014試験」とうたっていますが、実質は参加した患者の90%以上が中国の漢民族であり、「中国におけるPROFILE1014試験」と考えてよさそうです。 Crizotinibの効果は言わずもがなですが、プラチナ+ペメトレキセド併用療法の効果も捨…

stage IB期の非小細胞肺癌に対する術後補助化学療法

非小細胞肺癌の術後補助化学療法の分野は、我が国と欧米では若干考え方が異なる、というのは最近別の記事でお示しした通りです。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e854713.html しかし、米国でもIB期の肺がんには術後補助化学療法をした方がよさ…

肺がんスクリーニングに対する家庭医の意識調査

家庭医にとってはCTによる肺がんスクリーニングは必ずしも普及していないようです。 レントゲンに比べれば明らかに見落としが少なくなると思うのですが、米国の家庭医の中に、患者さんのCTスクリーニングを行うことが" stress ", "anxiety "と感じる方が半数…

Pembrolizumab単剤療法がプラチナ併用化学療法を凌駕、KEYNOTE-024

細かいデータはまだこれから明らかにされるのだと思いますが、PD-L1高発現の非小細胞肺癌の一次治療において、Pembrolizumabがプラチナ併用化学療法を無増悪生存期間、全生存期間において有意に凌駕したことが明らかになりました。 EGFR遺伝子変異、ALK遺伝…

ノギテカン(ハイカムチン)供給停止の件、再掲

先だって、下記の記事でノギテカンが入手困難になるとの話題を取り上げましたが、日本肺癌学会からも連絡がありました。 転載します。 困ったもんです。 特に、新規症例のノギテカン使用は慎まなければなりません。 本日セカンドオピニオンを受けた患者さん…

liquid biopsyの妥当性に関する大規模調査

liquid biopsyは肺がん領域の専売特許ではないようで、今回はさまざまな固形がんにおいてliquid biopsyと腫瘍組織生検の結果整合性について大規模な検討が成されています。 LC-SCRUM Japanでは現在までに肺がん患者3000例規模の解析が進んでおり、これは誇る…

My Pathway Study

今回取り上げるMy Pathway trialでは、治療対象を4系統の分子標的に絞って、これらの遺伝子異常を認めた患者さんに限って臨床試験を進めています。 従来の臨床試験と異なるのは、臨床試験を進めながら、あまり将来性のない治療には見切りをつけて早々に中止…

小細胞がんに対するニボルマブとイピリムマブ

先日、進展型小細胞肺癌の話題に触れましたが、免疫チェックポイント阻害薬に関する報告が今回のASCO 2016で成されています。 下記のThe ASCO Postの記事とASCOが公表している要約に若干のずれがあるので詳しく書きませんが、それなりの臨床効果が得られてい…

高齢非小細胞・非扁平上皮癌の化学療法

わが国の肺癌患者さんの約半数は75歳以上と考えられています。 そのため、わが国の肺癌臨床では、75歳以上を高齢者と定義しています。 手術であれ薬物療法であれ、治療法の選択をするに当たっては高齢者か否かは重要な因子です、 高齢者肺癌の薬物療法では、…

進展型小細胞肺癌とbevacizumab

小細胞癌領域におけるベバシツマブの治療開発は頓挫したと思っていましたが、今回の米国臨床腫瘍学会総会で進展型小細胞癌に対するベバシツマブ上乗せ効果を検証する第III相試験の結果が発表されるそうです。 残念ながら有意な全生存期間の延長は示されなか…

術後補助化学療法 TS1 vs UFT (JCOG0707)

手術を受ける患者さんが高齢であったり、合併症を抱えていたりで、このところ大分大学病院で非小細胞肺癌の根治手術を受けた患者さんに術後補助化学療法が行われる機会はあまりありません。 一般にこうした術後補助化学療法では、IB期まではUFT内服2年間、I…

FDAが神経内分泌腫瘍のPET診断試薬を承認

こちらはちょっと面白い報告です。 神経内分泌腫瘍のPET診断に用いるGa-68 dotatateが、診断用試薬としてFDAに承認されたとのこと。 肺癌領域での有効性は極めて限定的ですが、内分泌症状を合併した微小カルチノイド腫瘍の診断にはいいかもしれませんね。 も…

FDAがliquid biopsyを承認

T790M検出との関連でしばしば話題に上るliquid biopsyですが、米国食品医薬品局がEGFR遺伝子変異検査に関するcobas法version 2を承認したようです。 しかし、実臨床で使えるようになると、"liquid biopsy"という名称はちょっと違和感があるな、と個人的には…

ノギテカン、入手困難に

最近、知り合いの先生に教えて頂いたのですが、進展型小細胞癌の二次治療以降で使用されるトポテカン / ノギテカンが、イタリアの製造工場のなんらかのトラブルで出荷が滞っているそうです。 少なくとも7か月程度は入手できなくなるとのこと。 日本国内では…

ramcirumab承認

2016年5月30日に開催された薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会で「切除不能進行・再発非小細胞肺癌」を適応症として、ramcirumabが承認されたそうです。 石井源一郎先生のCAFのお話でちょっと取り上げたばかりですが、VEGF系を治療標的にした薬としてはbev…