2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Entrectinib - ROS1 / NTRK inhibitor, underconstruction

以前、ROS1融合遺伝子陽性肺がんで、クリゾチニブ耐性になっちゃったらどうしよう、という相談を頂き、苦し紛れに以下の記事を書いた。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e930157.html 苦し紛れで書いた記事をご覧になった別の方から、 「実は、家…

JO25567試験とNEJ026試験・・・エルロチニブ+ベバシズマブの位置づけは・・・?

ずっと棚上げにしてきた話題だが、今日は思い切って取り上げる。 以前もちょっとだけ触れた。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e935118.html EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん患者さんに対して、エルロチニブ単剤療法とエルロチニブ+ベバ…

デュルバルマブは局所進行非小細胞肺がんの生存期間を有意に延長した(PACIFIC試験)

我が国の実地臨床に導入済みだが、局所進行非小細胞肺がんに対する放射線化学療法後のデュルバルマブ療法の効果を検証した第III相PACIFIC試験の生存期間解析結果が論文報告された。 既にNew England Journal of Medicine誌に無増悪生存期間の解析結果が報告…

Avelumabの二次治療はこけてしまった・・・JAVELIN Lung 200試験

多少の条件の違いはあれ、現在我が国では非小細胞肺癌に対する二次治療として、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブといった複数の免疫チェックポイント阻害薬を使うことができる。 今回登場するAvelumabは、アテゾリズマブと同様にPD-L1阻害薬に…

免疫チェックポイント阻害薬(アテゾリズマブ)、いよいよ肺小細胞癌の領域へ

IMpower133の結果が2018年の世界肺癌会議で公表されたようで、早くも内容が論文化されたようだ。 無理もないことで、多分20年ぶりくらいで、進展型肺小細胞がんの薬物療法に関わる第III相試験において生命予後を改善する新治療が出てきたことになる。 ペンブ…

我が国の肺がん死亡数は伸び悩んでいる

「伸び悩んでいる」という表現は、不適切かも知れない。 「肺がんの年間死亡数、80,000人突破は目前」と毎年学生講義で話してきたが、どうもそうはならなさそうだ。 2014年以降、74,000人そこそこで頭打ちとなっており、もうそれほど増えそうにない。 先進諸…

・Brigatinib、進行ALK肺がんの一次治療でクリゾチニブを凌駕 ALTA-1L study

希少疾患で、肺がん診療全体に対するインパクトは大きくないものの、ALK肺がんの話題が続いています。 Brigatinibがクリゾチニブに対して、無増悪生存期間で上回ったとのことです。 第III相試験の結果であるため、素直に捉えれば、進行ALK肺がんの初回治療で…

免疫チェックポイント阻害薬が病状悪化を助長することもある?

本庶先生のノーベル医学生理学賞受賞が決まり、さらに注目度が高まりそうなPD-1 / PD-L1阻害薬。 ただ、効果判定は一筋縄ではいかない。 以前から言われていたPseudo-progression(本当は治療が効いているのに、病巣への炎症細胞浸潤の影響で一時的に病巣が…

次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子変異検索、いよいよ保険適用へ秒読み

新聞からの抜粋ばかりだが、2018年09月29日は、こんな記事もあった。 こちらは、どちらかというと医療費のコストダウンにつながる記事であり、喜ばしい。 少なくとも肺がん領域では、複数の遺伝子異常を一括して調べられるようになるだろう。

治療1回5000万円・・・、ホンマかいな・・・。

唐代の名医、孫思邈はその著書の中で、 「上等の医者は国を治す能力があり、中等の医者は人を治すことができ、下等の医者は病気しか治せない(上医医国、中医医人、下医医病)」 と書き残したらしい。 さて、果たして現代医療はどこに向かっているのか。 以…

PD-1発見者の本庶佑先生、2018年ノーベル医学生理学賞受賞

免疫チェックポイント阻害薬のコンセプトであるPD-1 / PD-L1系を発見された京都大学名誉教授の本庶佑(ほんじょたすく)先生。 2018年のノーベル医学生理学賞を受賞することが決定したと速報が入った。 おめでとうございます。 https://news.yahoo.co.jp/pic…