2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

・KEYNOTE-024 data more updated...5年生存割合31.9%はおろか、81.4%って...

TPSが50%以上の患者に対する初回ペンブロリズマブ単剤療法の有効性を検討したKEYNOTE-024試験について。 ドライバー遺伝子変異のない進行期非小細胞肺がんに対する初回薬物療法の考え方を大きく転換させた臨床試験で、これまで何度となく取り上げてきました…

・改めてCROWN試験

プレスリリースの時点で一度取り上げた、ロルラチニブ vs クリゾチニブのガチンコ試験、CROWN試験。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e979184.html ESMO 2020で結果が公表されました。 発表者は、ALK陽性肺がんに対するクリゾチニブ一次治療の有…

進行肺扁平上皮がんに対するカルボプラチン+S-1併用療法後のS1維持療法・・・やめておきます。

いろんな場面で維持療法をすることが当たり前になってしまった。 進行非扁平上皮非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ併用療法後のベバシズマブ維持療法。 進行非扁平上皮非小細胞肺がんに対するプラチナ製剤+ペメトレキセ…

・T.M.先生、ADAURA試験について語る

2020年当時、そろそろ欧州臨床腫瘍学会の話題を仕入れようとネットサーフィンをしていたら、国立がん研究センター東病院のT.M.先生が英語でプレゼンテーションをなさっている動画を見つけてしまい、びっくりたまげて椅子から滑り落ちてしまいました。 https:…

肺癌画像診断と白黒反転

最近、肺がん診断のための気管支鏡検査を見ていて、少し気がかりなことがある。 胸部レントゲンの所見確認が軽視されているように思われてならない。 そもそも、気管支鏡検査前に胸部レントゲン写真が撮影されていないことすらある。 私と同世代の医師が、駆…

・予後因子を知ることに果たして意味はあるのか

治療効果予測因子(predictive marker)と生命予後因子(prognostic marker)は、似て非なるものです。 がん治療において、治療効果予測因子はこれから行おうとする治療の効果がどの程度その患者さんにおいて期待できるのかを知るためのめやすです。 ある因…

sensitive relapse小細胞がんでのカルボプラチン+エトポシド併用療法再投与

この20年で、小細胞がんと非小細胞非扁平上皮がん(≒腺がん)の薬物療法には、大きな隔たりができてしまった。 非小細胞非扁平上皮がんは治療開始前の遺伝子変異検索、PD-L1発現状態評価が必須となった。 殺細胞性抗腫瘍薬、分子標的薬、(血管増殖因子阻害…

お誕生日おめでとう その2

以前、「お誕生日おめでとう」という記事を書いたことがある。 私よりも若い患者さんで、喫煙経験が全くないのに肺小細胞がんと診断されたとのことで、今でも折に触れて思い出す。 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e946312.html 今日ご紹介するの…

ONO-4538-52/TASUKI-52試験

小野薬品工業から、以下のようなプレスリリースが発出されていたようだ。 参加患者の約70%を日本人が占めていたとのこと。 https://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n20_0803.pdf <化学療法未治療の根治照射不能なIIIB / IV期又は再発の非扁平上皮非小細胞肺がんを…

・ロルラチニブ、一次治療へ・・・第III相CROWN試験

ALK融合遺伝子陽性進行非小細胞肺がんにおいて、ロルラチニブも初回治療で使えることになりそうです。 しかし、ALK肺がんの世界では、効果・安全性のバランスが非常によいアレクチニブが既に一次治療の主戦力になっている点が、EGFR遺伝子変異陽性進行非小細…

限局型小細胞肺がん、再燃時の治療

進展型小細胞肺がん再燃時の化学療法は、臨床試験結果に基づいて、それなりに選択肢がある。 条件が合えば、シスプラチン+イリノテカン+エトポシド併用療法もよいだろう。 条件が合わなくても、アムルビシンやトポテカンが使用できるだろう。 しかし、限局…

膠原病と肺がん、嚥下障害

この病気と診断されたときは、悪性腫瘍の検索をしましょうと推奨される病態はいくつかある。 同一部位に肺炎を繰り返す患者における、その部位の根元の肺門部型肺がん。 帯状疱疹を発症した患者における悪性腫瘍合併。 そうしたものの中に、膠原病も含まれる…

EGFR遺伝子変異陽性肺がんに対するペンブロリズマブ、化学療法、エルロチニブ

EGFR遺伝子変異陽性肺がんの方に免疫チェックポイント阻害薬を使っていいものか。 そんな質問を頂いた。 EGFRチロシンキナーゼ阻害薬も、化学療法も全てやりつくして、最後の挑戦としてペンブロリズマブを使用するとのこと。 データベースを検索してみたとこ…