2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

その薬、いつまで続ける?

世間の話題が完全に新型コロナウイルス感染症一色になった。 春を迎え、例年なら様々な学会が開催され始める季節。 しかし、キャンセルが相次いでいる。 日本内科学会は8月初旬に延期された(本当に8月に開催できるかどうかもわからない)。 日本呼吸器学会…

ついに国立がん研究センターにも新型コロナがやってきた

https://www.asahi.com/articles/ASN3X52CPN3XULBJ002.html?iref=comtop_8_02 ついに国立がん研究センター中央病院にも新型コロナウイルスの影響が出始めたらしい。 病棟勤務の看護師2名が嗅覚・味覚の異常を訴えて検査をしたところ、新型コロナウイルス感染…

気管支鏡検査と令和2年度の診療報酬改訂

令和2年度の診療報酬改訂について少し眺めてみた。 気管支鏡検査との関連で、以下の内容に行き当たった。 個人的感想を加えてまとめた。 ■経気管肺生検法 4,800点 1 ガイドシースを用いた超音波断層法を併せて行った場合は、ガイドシース加算として、500点…

ROS1陽性肺がんの方々

最近、ぽつりぽつりとセカンドオピニオン・個別相談のご依頼を受けている。 中には、随分前にブログ上でご相談を頂いた方もいらっしゃった。 興味深いのは、ドライバー遺伝子変異陽性の患者さんからの相談が多いことだ。 こうした患者さんは分子標的薬の恩恵…

新型コロナウイルスはどのくらいの時間、環境に居座るのか

進行がんの患者さんのほとんどは、いわゆる抗がん薬治療の期間中、感染症にかかるリスクが高い。 新型コロナウイルス、がんにかかっていない人でもこれだけ恐れるのだから、進行がんの治療中の患者さんの不安は、それに倍することだろう。 まずは新型コロナ…

病勢進行後のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬再投与に意味はあるのか

ここで言いたいのは、第1、第2世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬投与後にオシメルチニブを投与することに意味はあるのか、ではない。 例えば、ゲフィチニブを投与した後、病勢進行に至った場合、オシメルチニブ以外のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬を再投与する…

苦し紛れの免疫チェックポイント阻害薬に希望はあるのか

免疫チェックポイント阻害薬は、何も副作用が起こらなければとても使いやすい薬である。 免疫チェックポイント阻害薬だけなら、点滴は30分から60分程度で終わる。 殺細胞性抗腫瘍薬のように、嘔気・嘔吐・食欲不振・高率に起こる骨髄抑制・脱毛に悩まされる…

ROS1陽性肺がんとエントレクチニブ

なかなか縁がなさそうだなあと思っていたROS1陽性肺がんだが、このところポツポツ見つかり始めた。 今週もデータベースの整理をしていると、新たに一人、ROS1陽性肺がんが見つかっていた。 2019年の集計をしたときは、腺がん47人中にたった1人だった。 http:…

全脳照射の時、海馬を避けることに意味はあるのか

転移性脳腫瘍を有する患者さんに対する海馬回避全脳照射、話には聞いていたし、実際に他の診療施設から紹介を受けた患者さんに、この治療の経験者がいた。 現在、大分でやっている施設があるかどうかは知らない。 どの程度のエビデンスがあるのかも知らなか…

たまたまCoVID-19に感染していた肺がん患者の術後肺病理所見

武漢で肺がん根治切除術を受け、たまたまCoVID-19感染合併が明らかとなった患者2人の報告があった。 うち1人は、明らかにCoVID-19の院内感染事例である。 もともと診断がついていたCoVID-19感染患者と同じ病室に入院させたのであれば、過失を糾弾されるのは…

KEYNOTE-010試験の長期追跡結果・・・2年間の治療完遂後と、再投与の効果

本文を読んでいないので細かい内容がわからないけれど、長期間ペンブロリズマブの治療を継続できた患者では、その後かなり長い間治療効果が続き、病勢進行後もペンブロリズマブの再投与によってある程度の治療効果が期待できるようだ。 私の患者も、2,019年1…

肺がん気管支鏡検査にどこまでCoVID-19用の配慮が必要か

2020年03月03日には、ついに大分県でもCoVID-19感染患者1人目の発生が報告された。 ダイヤモンドプリンセス号から下船した方が発症するだろうと予想していたため、全く無関係の人が発症したことに少なからず驚いた。 サービス業に従事している方らしいので、…

脳転移を有する進行非小細胞肺がんに対する治療

2019年の日本肺癌学会で、こんな発表があった。 有意差こそついていないものの、脳転移に対する放射線治療をきちんとした方が、患者さんの生存期間は長くなりそうだ。 一部内容を抜粋すると、調査対象となった187人に患者において、 1)脳転移に対する放射…

ペンブロリズマブとインフルエンザワクチン

新型コロナウイルス感染症により全世界が混迷の度合いを増している中で、今シーズンの米国ではインフルエンザが猛威を振るっているとのこと。 患者は2600万人以上、死者は1万4000人に上っているというから、大変だ。 我が国でもきっとそうだと考えているが、…