2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

・重症市中肺炎治療とヒドロコルチゾン

肺がん診療とは直接関係のない話なのですが、肺炎治療後のリハビリ目的で転院して来られる患者さんの治療経過を見ていると、抗菌薬にステロイドを併用されている方がずいぶん増えたなあという印象を受けます。 今回取り上げる論文の影響もあるのかもしれませ…

・トラスツズマブデルクステカン(T-DXd)、HER2変異陽性非小細胞肺がん適用承認

2023年08月23日付で、トラスツズマブデルクステカン(T-DXd)が「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対して使用可能となりました。 肺がん領域ではじめて適用される抗体薬物複合体、ということに…

・KRAS G12C遺伝子変異陽性固形がん(非小細胞肺がんを含む)に対するdivarasibの第I相試験

KRAS G12C遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対して、我が国ではソトラシブを使用できますが、ほかにも開発中の薬があります。 今回はdivarasibを取り上げます。 まだ薬としての安全性を確認するための第I相臨床試験段階での報告ですが、安全性に大きな問題はな…

・お盆に親族が集まるということ

1年ちょっとの膵がんとの闘病期間を経て、6月下旬に叔父が亡くなりました。 大学病院の腫瘍内科でがん薬物療法を受けていたのですが、自宅で身動きが取れなくなって、私の勤め先に救急搬送されてきました。 各種検査データから多臓器不全の状態にあり、CTで…

・EGFRエクソン20挿入変異に対する、zipalertinibの第I / IIa相試験

EGFRエクソン20挿入変異陽性肺がんに対する治療開発は、有効性を高める目的だけではなく、副作用を軽減する目的でも進められているんですね。 使用量が多いほど効果が高まる一方で、副作用も増強するという内容は、どちらかというと分子標的薬というより殺細…

・第II相WU-KONG6試験・・・EGFRエクソン20挿入変異での奏効割合60.8%

EGFRエクソン20挿入変異に対するsunvozertinibの治療開発について、新たな報告です。 2022年の米国臨床腫瘍学会では、第I相試験段階での報告が行われていました。 そのころに作成した以下の過去記事で、sunvozertinibがどういった種類のお薬なのか詳しく触れ…