国産PCA(patient controlled analgesia)ポンプ...i-Fusor plus

 最近入院していたがん患者さんの疼痛管理がなかなか大変で、一晩中、ほぼ20分に1回の頻度で注射用麻薬のレスキュー投与を必要としていた。  当然、患者さん本人だけでなく、夜勤の看護スタッフはずっと気が休まらない。  私の疼痛コントロールの拙さからくるもので、申し訳ないったらない。  以前、当院に緩和ケア病棟があったころには、PCAポンプを利用していたようだが、今ではその文化すらなくなってしまった。  私もスタッフも随分と苦労して、次回同じような機会があったらPCAポンプを使おうということになった。  PCAポンプは、精密持続点滴ポンプに、患者さん本人が痛いときに追加投与するためのボタンが附属したもの、と考えるといい。  どんどん追加投与をすると、薬の中毒症状が懸念されるため、限度回数などを設定することができる。  これは、私が最初に接したPCAポンプ、「CADD-Legacy PCA」。  今でもこれを使っている施設は多いのではないだろうか。  これは、現在も当院においてある(近々廃棄予定の)「テルフュージョン小型シリンジポンプ」。  小型ではあるが、それだけに用量の制限があり、あまり好きではなかった。  今回採用候補となっているのが、JMS社製の「i-Fusor plus」。  各種附属機能がついていて、国産らしい。  そんなに大きくもないし、既存の輸液システムが使えるみたいだし、これはいいね、という話になった。  問題は価格。  本体の価格もさることながら、消耗品が高い。  もう少し検討することにした。