RELAY試験のエルロチニブ+ラムシルマブ併用療法、無増悪生存期間を有意に延長

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん患者を対象としたRELAY試験において、エルロチニブ+ラムシルマブ併用療法がエルロチニブ単剤療法と比較して無増悪生存期間を有意に延長したとのこと。

 詳細はイーライリリー社のプレスリリースを参照。

 https://news.lilly.co.jp/down2.php?attach_id=588&category=13&page=1&access_id=1912

 型のごとく、詳細なデータは今後の主要な学会で発表される。

 まだまだ全体像が見通せるようになるのは先の話だと思うが、無増悪生存期間をある程度延長して、全生存期間には差は出ないだろうと予測する。

 治療コンセプトが先行するエルロチニブ+ベバシズマブ併用療法と同様で、こちらは以下の記事に示すような流れになっているからだ。

 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e944390.html

 一方、RELAY試験でまだまだ興味深いのは、試験治療群Cとして、ゲフィチニブ+ラムシルマブ併用療法、あるいはオシメルチニブ+ラムシルマブ併用療法が規定されていることだ。

 エルロチニブ+抗VEGF抗体併用療法は、少なくとも我が国と欧州では認知されていると言っていいが、ゲフィチニブ+抗VEGF抗体併用療法は我が国で岡山大学の先生方が臨床試験に取り組んだくらいで、あまり一般的ではない。

 オシメルチニブ+抗VEGF抗体併用療法は、どのような結果になるのか(ある程度予想はつくものの)まだ誰も知らない。

 何はともあれ、どうしても殺細胞性抗腫瘍薬を使いたくない、という患者さんには、EGFR-TKI+抗VEGF抗体は治療選択肢の一つとなり得るのではないだろうか。

 ただし、いずれも初回治療時にのみ選択しうるオプションということは、知っておかなければならない。

 また、ラムシルマブの点滴は2週間に1回の頻度で受けなければならないため、患者さん・ご家族にとっても、医療従事者にとっても煩雑なことだろう。

 2週間に1回の通院がどれだけ負担になるか、それが4週間に1回程度に伸びることが実地臨床上どのように受け入れられるかは、以下の記事に対する反響を見れば自明である。

 http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e953777.html