ASCO annual meeting 2019
Abst. #9000
日本臨床腫瘍学会年次総会 2019
Abst. #PS1-2
・非小細胞肺癌において、EGFR遺伝子変異陽性となる患者の割合は欧米では10−20%、アジア人では40−60%とされている
・EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌患者にEGFR阻害薬を使用しても、耐性化が起こる
・他の抗腫瘍薬との併用療法が報告されている
NEJ-026試験:エルロチニブ+ベバシズマブ 第III相試験
Saito et al., Lancet Oncol 625-635, 2019
NEJ-009試験:ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド 第III相試験
ASCO 2019でも取り扱われた
・ベバシズマブは抗VEGF抗体、ラムシルマブは抗VEGF-R2抗体
・RELAY試験はグローバル第III相臨床試験
・対象患者はIV期の非小細胞肺癌、EGFR遺伝子変異(エクソン19 / 21)陽性、PS 0-1
・除外基準はT790M変異陽性、EGFR阻害薬や化学療法の治療歴あり、脳転移あり
・試験治療群(ER群)はエルロチニブ 150mg/日連日服用+2週ごとにラムシルマブ10mg/kgを点滴
・対照群(E群)はエルロチニブ150mg/日連日服用
・割付調整因子はEGFR遺伝子変異タイプ(エクソン19 vs 21)、性別(女性 vs 男性)、地域(東アジア vs その他)、EGFR検査法(テラスクリーン/コバス vs その他)
・主要評価項目は無増悪生存期間
・13ヶ国、100施設から患者を集積
・2016年01月から2018年02月まで患者登録
・データカットオフは2019年02月14日
・追跡期間中央値は20.7ヶ月
・RE群に224人、E群に225人を割付
・アジア人が全体の77%
・IV期の患者が約85%、術後再発が約15%
・無増悪生存期間中央値はRE群で19.4ヶ月、E群で12.4ヶ月、ハザード比は0.591、95%信頼区間は0.461-0.760)、p<0.0001で、RE群が有意に無増悪生存期間を改善した
・エクソン19の患者群において、無増悪生存期間中央値はRE群で19.6ヶ月、E群で12.5ヶ月、ハザード比は0.651、95%信頼区間は0.469-0.903)
・エクソン21の患者群において、無増悪生存期間中央値はRE群で19.4ヶ月、E群で11.2ヶ月、ハザード比は0.618、95%信頼区間は0.437-0.874)、p<0.0001
・奏効割合はRE群で76%(71-82)、E群で75%(69-80)
・全生存期間は両群とも中央値未到達、1年生存割合はRE群で83%、E群で81%、ハザード比は0.832(0.532-1.303)
・Guardant360 liquid biopsyを用いて、治療開始前に1回、病勢進行後30日以内にもう1回EGFR検索を行い、T790M出現の有無を調べた
・T790M変異は治療開始前には全例認めなかった
・病勢進行後のT790M出現頻度は、RE群で43%(19/44)、E群で47%(35/75)、p値は0.849で有意差を認めなかった
・治療関連死は認めなかった
・出血性合併症はRE群の55%、E群の26%に認めた
・65歳未満(HR 0.534; 0.382-0.745)、 喫煙者(HR 0.579; 0.373-0.899)、エクソン21変異(HR 0.618; 0.437-0.874)のサブグループではより有望な結果が得られた
・総計446人の参加患者のうち、336人(75%)は東アジア人で、内訳は日本人211人、台湾人56人、韓国人54人、香港人15人だった