ASCO 2019 review トップ会談

 2019/06/21のウェブ講演会。

 肺癌領域では巨頭として知られる大阪の先生と和歌山の先生がASCO2019の話題について談義を繰り広げていた。

 司会をして若手にしゃべらせる、というわけではなく、巨頭同士がトピックスについて簡単にまとめて、あとは思い付きのままにしゃべるという内容。

 制作主体が検査会社や製薬会社でなかったためか、見解が偏っておらず、とても好感が持てた。

 ここでは細かい話は抜きにして、どんな話題が取り上げられていたかを箇条書きで。

 チャンスがあれば、別記事で個別の内容を扱う。

・RELAY study: EGFR遺伝子変異陽性の非扁平・非小細胞肺癌に対するエルロチニブ+ラムシルマブの第III相試験

 脳転移を有する患者は除外されていた

・インドのTATA hospitalが実施したEGFR遺伝子変異陽性肺がんに対するゲフィチニブ+化学療法併用の第III相試験

KEYNOTE-001試験の長期フォローアップ

KEYNOTE-189試験

 クロスオーバー割合は実に91%に及ぶが、それでも生存期間に差が出ている

 化学療法+免疫チェックポイント阻害薬併用療法の方が、免疫チェックポイント阻害薬単剤の治療よりも病勢進行割合が低い、ハザード比がよい

 PD-L1発現別のハザード比にあまり差が出ていない

・ECOG-ACRIN 5508 study

COMPASS study

・KRAS遺伝子変異陽性(G12C)に対する分子標的薬

 タバコ発がんには、G→C変異が多い

・MET14skipping mutation

・JIPANG study:術後補助化学療法としてのシスプラチン+ペメトレキセド併用療法 vs シスプラチン+ビノレルビン併用療法

 主要評価項目の無増悪生存期間について、negative studyに終わった

 米国では既に実臨床として普及している

・WJOG IMPACT study:EGFR遺伝子変異陽性肺がんに対する術後補助化学療法としてのゲフィチニブ 第III相試験

 結果が出てくるまでには、まだまだ時間がかかりそう