2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録その9 呼吸器病理医の現状と問題点

2019年 第59回日本呼吸器学会備忘録

 ゲノム医療の話題が多い今日この頃だが、そもそも肺癌という診断は、病理診断に基づいている。

 病理医の先生がいないと、我々の診療は入り口にすら立てないのだ。

 全国の病理医の先生にお願いしたアンケート調査の結果から。

・肺癌病理、炎症性肺疾患の病理は、複雑化・煩雑化した

・呼吸器学会認定施設に所属する病理医にアンケート調査を行った

・702施設に依頼をして、94施設(13.2%)から回答を得た

・呼吸器病理医の業務は増加している

・呼吸器病理は人手不足

・そもそも病理医が少ない

・とにかく業務が増えた

・専門性が高くなった

・非腫瘍性疾患を教育できる病理医が不足している

・教育システムがない

・臨床医とのコミュニケーションがない

・呼吸器病理医を大いに増やしたい(50%)、少し増やしたい(40%)

・呼吸器病理医は増えていない(80%)、少し増えている(15%)

・提出される検体が小さい・少ない

・治療に結びつきにくい

・臨床医の興味が病理に向かない

・病理医のニーズは呼吸器病理医よりも一般病理医のほうに高い

・呼吸器病理の分野で教授を目指す人がいない

・呼吸器病理医へのコンサルト:50%はあまりないと回答、30%は少し増えていると回答