Best of ASCO Japan 2019に参加したときのメモです。
興味がある方はどうぞご覧ください。
LAG-3やTIGITを標的とした治療薬は、すでに開発されつつありますね。
〇免疫チェックポイントの標的分子がさまざまある中で、なぜCD28は開発対象から外れたのか
・CD28は正常人のナイーブT細胞にも発現している
→CD28を標的とした治療薬を開発すると、毒性が強すぎて(正常細胞が影響を受けすぎて)薬として使えない
〇PD-L1、PD-L2の下流のシグナル伝達系は今のところよく分かっていない
〇PD-1 / PD-L1の会合により、T細胞側でCD28が不活化される
〇CD80とPD-L1が抗原提示細胞上で会合すると、T細胞のCD28が不活化される
〇想定される免疫チェックポイント阻害薬耐性機序
・がん特異抗原の不足
・抗原提示細胞の処理能力低下
・T細胞の浸潤活性低下
・インターフェロンのシグナル伝達系機能低下
・代謝、炎症、低酸素環境の変化
・制御性T細胞、MDSC、M2マクロファージの関与
・LAG3、TIM3、TIGITなど他の免疫チェックポイントとの相互作用
〇免疫チェックポイント阻害薬が絡んだ併用療法の開発
・免疫チェックポイント阻害薬+免疫チェックポイント阻害薬:イピリムマブ+ニボルマブが悪性黒色腫、腎細胞癌では実地臨床導入済み
・免疫チェックポイント阻害薬+免疫賦活薬:腫瘍溶解ウイルス、T細胞受容体作動薬、ナチュラルキラー細胞賦活薬など
・免疫チェックポイント阻害薬+化学療法:非小細胞肺癌、小細胞肺癌、トリプルネガティブ乳がんでは実地臨床導入済み
・免疫チェックポイント阻害薬+分子標的薬:抗VEGF抗体との併用で、腎細胞癌で実地臨床導入済み
・免疫チェックポイント阻害薬+代謝拮抗薬
・免疫チェックポイント阻害薬+エピジェネティック製剤
・免疫チェックポイント阻害薬+放射線治療:非小細胞肺癌でデュルバルマブが実地臨床導入済み
・免疫チェックポイント阻害薬+CAR-T療法