FDAがBrigatinibを承認

 Brigatinibが米国食品医薬品局に承認された様子。

 承認された使用法では8%強が継続困難な有害事象に見舞われるとのこと。

 どっちかというと、Alectinibを使いたい。

FDA Approves Brigatinib for Metastatic ALK-Positive Non?Small Cell Lung Cancer

By The ASCO Post

Posted: 4/28/2017 3:53:14 PM

Last Updated: 4/28/2017 3:53:14 PM

 2017年4月28日、米国食品医薬品局は、Crizotinibによる治療後に病状が進行するか、あるいは治療継続できなくなったALK陽性進行非小細胞肺がん患者に対する治療薬として、Brigatinib(Alunbrig)を迅速承認した。

 今回の承認は、ALTA試験の結果を受けてのものだ。Crizotinibによる治療後に病勢進行に至ったALK陽性局所進行もしくは進行非小細胞肺がん患者を対象に、異なる投与法でBrigatinibを使用する二群でのオープンラベル多施設共同臨床試験だったが、臨床的に意味のある、持続的な腫瘍縮小割合が確認された。参加した全ての患者は、FDAが承認済みのALK検査でALK陽性であることが確認済みか、他のALK検査でALK陽性と診断された後にVysis ALK-FISH kitでALK陽性であることが確認された。総計222人の患者が参加し、Brigatinibを90mg/日で服用する群(112人)と、90mg/日で1週間服用した後に180mg/日に増量する群(110人)に無作為割付された。

 奏効割合は90mg群で48%(95%信頼区間は39-58%)、180mg群で53%(43-62%)だった。追跡期間中央値8ヶ月の段階で、奏効持続期間中央値は両群ともに13.8ヶ月だった。治療開始時点で測定可能な脳転移巣を認めていた患者において、頭蓋内奏効割合は90mg群(26人)で42%(23-63%)、180mg群(18人)で67%(41-87%)だった。頭蓋内奏効持続期間中央値は90mg群では未到達、180mg群では5.6ヶ月だった。頭蓋内病変が縮小した患者で、90mg群の78%、180mg群の68%では、少なくとも4ヶ月は効果が持続した。

 Brigatinibを服用した患者の少なくとも25%で、嘔気、下痢、倦怠感、咳、頭痛といった有害事象が見られた。視覚障害も確認された。重篤な有害事象として、肺炎や間質性肺炎が見られた。

 致死的な有害事象は3.7%に及んだ。肺炎で2人、突然死、呼吸困難、呼吸不全、肺血栓塞栓、細菌性髄膜炎、尿路感染による敗血症でそれぞれ1人ずつが死亡した。有害事象によりBrigatinib継続不能となった患者は、90mg群で2.8%、180mg群で8.2%いた。

 Brigatinibを服用する患者では、呼吸器関連症状、高血圧、徐脈、視覚異常、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇、血糖値上昇、クレアチンキナーゼ上昇に注意が必要だ。

 Brigatinibの推奨投与法は、90mg/日で内服を開始し、7日後に問題がなければ180mg/日に増量する、ということになった。

 処方に関する情報は以下を参照。

 https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/208772lbl.pdf.