・米国食品医薬品局 PralsetinibをRET融合遺伝子陽性非小細胞肺がん治療薬として通常承認

 

 RET肺がんの義父がセルペルカチニブを服用し始めてから、1年9ヶ月が過ぎました。

 食欲不振、血圧上昇、過敏症、ネフローゼ症候群などさまざま有害事象に見舞われました。

 病勢はひいきめに言って小康状態(SD)です。

 最近では肺血栓塞栓症を合併して重症呼吸不全も経験しました。

 それでも尽きることない本人の治療意欲を原動力に、担当チームの支援の下で、いまなお治療は続いています。

 分子標的薬を用いた治療は一般にそうだと思いますが、いかに有害事象や合併症をうまく管理しながら、細く長く治療を続けるか、いかに本人の治療意欲を維持するかが肝要です。

 義父の場合、たとえ少しでもいいから仕事を続けたい、という気持ちが治療意欲を維持しているようです。

 

 米国では、pralsetinibがRET肺がん治療薬として通常承認に格上げされたそうです。

 奏効割合と奏効持続期間のデータしか提示されておらず、無増悪生存期間や全生存期間の詳細は分かりません。

 義父のように、セルペルカチニブを使用している患者に対してpralsetinibの有効性が期待できるのかどうかもまたわかりません。

 それでも、一つでも多く治療選択肢が増えるように、我が国でもpralsetinibが早く承認されるように願ってやみません。

 

 

 

 

FDA Approves Pralsetinib for RET Fusion–Positive NSCLC

 

By The ASCO Post Staff
Posted: 8/11/2023 10:17:00 AM

 

 2023/08/09、米国食品医薬品局(FDA)は、コンパニオン診断により確認されたRET融合遺伝子陽性進行非小細胞肺がん成人患者に対し、pralsetinib(商品名Garveto)を通常承認した。

 多施設共同オープンラベル複数コホート臨床試験であるARROW試験において、114人の患者を対象に確認された奏効割合と奏効持続期間の結果に基づき、pralsetinibは非小細胞肺がんの治療薬として2020/09/04にFDAの迅速承認を受けていた。今回、迅速承認から通常承認へ格上げされたのは、さらに123人の患者に関するデータと、奏効持続期間に関する25ヶ月間の追跡データが追加されたことに基づいている。

 RET融合遺伝子陽性の局所進行/進行非小細胞肺がん患者総計237人に関する有効性が示された。対象患者は、病勢進行が確認されるか、忍容不能の有害事象に見舞われるまでpralsetinibを使用した。

 主要評価項目は奏効割合と奏効持続期間で、独立委員会により評価された。治療歴のない107人において、奏効割合は78%(95%信頼区間68-85%)、奏効持続期間中央値は13.4ヶ月(95%信頼区間9.4-23.1)だった。プラチナ併用化学療法治療歴のある130人において、奏効割合は63%(95%信頼区間54-71%)、奏効持続期間中央値は38.8ヶ月(95%信頼区間14.8-未到達)だった。

 25%以上の発生割合が確認された頻発有害事象は、筋肉痛、便秘、高血圧、下痢、倦怠感、浮腫、発熱、咳だった。

 pralsetinibの推奨用量は400mg1日1回で、空腹時(食後2時間後から食前1時間前まで)に服用することとされている。

 

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