BVと腸穿孔、driver変異とNivolumab

2017年7月29日 日本臨床腫瘍学会総会3日目(神戸市)

<ポスター発表>

P3-138:

 非小細胞肺がんにおけるBevacizumabに関連した腸穿孔の臨床背景の検討

・解析対象患者総数は314人

・腸穿孔を合併した患者は7人(2.2%)

・7人中6人は、1コース目もしくは2コース目に腸穿孔を合併した

・原因不明4人、潰瘍性大腸炎2人、転移1人

・腸穿孔発症に関連する危険因子

 Grade 3以上の下痢:HR 11.37(2.37-54.50 ), p=0.0024

 Grade 2以上の胃炎:HR 4.60 ( 1.01-21.04 ) , p=0.0492

 発熱性好中球減少合併:HR 9.16 ( 1.98-42.49 ), p=0.0047

 初回治療時点でのPS 1:HR 11.07 ( 2.37-51.63 ), p=0.0022

→発症すると外科的対応が必要となるだけに、内科医としては難儀な合併症

→日頃から外科医と良い関係性を保つことが大切

→治療開始前のPS1、治療開始後の高度の下痢と発熱性好中球減少が危険因子というのは、知っていて損はない

P3-142:

 EGFR / ALK遺伝子変異陽性の進行非扁平上皮非小細胞肺癌に対するニボルマブ治療

・解析対象となったのはニボルマブ投与を受けた患者総数59人

・そのうち、EGFR遺伝子変異陽性患者は16人、ALK陽性患者は2人

P3-144:

 ニボルマブ投与を行ったEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌症例における効果と有害事象の調査について

ニボルマブ投与を受けたEGFR遺伝子変異陽性患者13人の解析を行った

→実地臨床でEGFR遺伝子変異陽性の患者に対してNivolumabを使用した場合、治療開始後の生存期間中央値は10-12ヶ月といったところか

→どちらも各地方のhigh volume centerからの報告であるためか、比較的患者層が若い

→高齢者を対象とした場合、もっと成績は悪くなるのでは

→P3-142でドライバー遺伝子変異陰性の患者群と比べると、生命予後はそれほど変わらない