Osimertinibの関連情報
EGFR二次耐性変異T790Mに対する阻害薬、Osimertinib(タグリッソ)が2016年3月28日に製造販売承認を得ました。
要は「お薬として作って、販売していいですよ」という国の許可が出たということです。
ですが、薬の値段はまだ決まっておらず、これから2−3ヶ月くらいしないと現場では通常使用できない、という見通しだそうです。
その間、1日でも早くOsimertinibを使いたい、という患者さんはたくさんいるはずです。
そのため、製造販売元のアストラゼネカ社は、以下のプレスリリースからの抜粋にあるように、薬の値段が決まるまでは一部の専門施設を窓口として、無償提供を行うことに決めたようです。
興味がある患者さんや担当医師は、相談窓口に連絡してみてはいかがでしょうか。
以下は、3月25日の講演会で私が使ったスライドからの抜粋ですが、Osimertinibの使用対象となる患者さんは、ざっと見積もって非小細胞・非扁平上皮癌患者さんの5人に1人、といったところでしょう。
アストラゼネカ社から提供された、出来立てホヤホヤのパンフレットからOsimertinibの効果を抜粋すると、
ざっと見積もって、日本人の患者さんで腫瘍が半分以上に縮小する割合は60%強、少なくとも腫瘍が一定期間大きくならない割合は90%強、腫瘍が一定以上に大きくならないでいる期間は10か月弱、というところです。
一方、副作用については、
という感じで、ちょうどgefitinibの間質性肺炎が問題になって、3000例強の追跡調査が行われたときのデータを彷彿とさせるような内容です。
実際のところ、gefitinibの当時に比べて、かなり警戒しながら使用しているはずですから、実質はgefitinibよりも間質性肺炎を生じやすいと捉えた方がいいでしょう。