減少の兆しなし

 このところ、すっかり記載が滞ってしまった。

 ESMO 2017で報告されたFLAURA studyのことすら、まだまとめきれずにいる。

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌一次治療において、いわゆる第1世代のEGFR阻害薬に対し、OsimertinibがPFSで優越性を証明したとのこと。

 これを受けて、もはや第1世代のEGFR阻害薬の出番はなくなるのか。

 第2世代のEGFR阻害薬との使い分けはどうするのか。

 そもそも、Osimertinibを一次治療で使った場合、全体の生存期間は延びるのか。

 不確定要素は多いものの、今回の結果を受けて一次治療からOsimertinibを使いたいと考える患者、医師は少なくないだろう。

 再生検する必要ないから。

 肺癌の年齢調整死亡率は、先進諸国においては20世紀後半から減少傾向だが、その実感は今のところあまりない。

 Osimertinibが実地臨床で使用できるようになってから、それなりに時間がたった。

 そろそろ、耐性化する患者が目立ち始めた。

 ドライバー遺伝子変異を有する患者では、新薬の登場で、分子標的薬を使い始めてから化学療法への移行を余儀なくされるまでの期間が長期化する傾向にある。

 それだけに、化学療法に移行するタイミング、化学療法への移行を患者・家族に推奨するテクニックは、これまでより遙かに難しくなっているような印象を受ける。