PACIFIC試験、日本人サブグループ解析

 III期は治癒を目指すべき患者集団である以上、今後、長期生存患者がどの程度出てくるかが注目点。

<Stage III肺がんdurvalumab維持療法の日本人解析(PACIFIC)> 2017年日本肺癌学会

 PACIFIC試験は、プラチナ・ベースの放射線化学療法後に病勢進行に至っていない切除不能局所進行Stage III NSCLCを対象に、抗PD-L1抗体durvalumabの維持療法をプラセボ群と比較した無作為化第III相試験である。

 2017年ESMOで報告された中間解析によれば、全集団の無増悪生存期間(PFS)中央値はdurvalumab群16.8ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月で、durvalumab群で有意に延長していた(HR:0.52、95%CI:0.42〜0.65、p<0.0001)。

 日本人集団におけるPFS中央値はdurvalumab群未到達、プラセボ群7.2ヵ月だった(HR:0.49、95%CI:0.26〜0.89、p=0.020)。

 奏効割合は、全集団ではdurvalumab群28.4%、プラセボ群16.0%であり、日本人解析ではdurvalumab群31.8%、プラセボ群22.9%だった。

 Grade3 / 4の有害事象発生率は、全集団ではdurvalumab群29.9%、プラセボ26.1%であり、日本人集団ではdurvalumab群23.6%、プラセボ群12.5%であった。日本人集団の安全性のプロファイルは全集団と同様であった。Grade3/4の免疫関連有害事象の発生率は、全集団ではdurvalumab群24.2%、プラセボ群8.1%であり、日本人集団ではdurvalumab群25.0%、プラセボ群10.0%であった。