Atezolizumab一次治療

 AtezolizumabでもPD-L1発現状態で層別化した初回治療の臨床試験が報告された。

 第II相試験ではあるが、次につながる有望な結果のようである。

Atezolizumab as First-Line or Subsequent Treatment in PD-L1-Selected Advanced NSCLC

By Matthew Stenger

Posted: 6/23/2017 9:54:46 AM

Last Updated: 6/23/2017 9:54:46 AM

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28609226

 第II相BIRCH試験において、PD-L1高発現の進行非小細胞肺癌における一次治療もしくは二次治療以降において、Atezolizumabは高い奏効割合を示した。

 BIRCH試験は、測定可能病変を有し、脳転移のない進行非小細胞肺癌患者659人を対象とし、1200mgのAtezolizumabを3週ごとに投与する試験デザインとし、一次治療コホートコホート1、n=139人)、二次治療コホートコホート2、n=268)、三次治療以降コホートコホート3、n=252人)に分けた。腫瘍細胞もしくは腫瘍浸潤免疫細胞がSP142抗体による免疫染色で5%以上のPD-L1発現をしている患者のみを対象とした。PD-L1発現割合が腫瘍細胞の50%以上、免疫細胞の10%以上の患者を、それぞれTC3やIC3と定義した。それぞれのコホートの46%、47%がTC3やIC3に相当した。主要評価項目は奏効割合とした。

 12ヶ月の追跡期間後で、奏効割合はコホート1で22%、コホート2で19%、コホート3で18%だった。それぞれのコホートにおけるTC3 / IC3の患者をサブグループ解析すると、コホート1で31%、コホート2で26%、コホート3で27%だった。奏効の有無はEGFRやKRAS遺伝子変異と関わりなかった。奏効持続期間はコホート1で9.8ヶ月、未到達、11.8ヶ月だった。それぞれのコホートにおけるTC3 / IC3の奏効持続期間は10.0ヶ月、未到達、7.2ヶ月だった。追跡期間中央値が20ヶ月と不十分であるものの、生存期間中央値は23.5ヶ月(TC3 / IC3の患者では26.9ヶ月)、15.5ヶ月(TC3 / IC3の患者では16.6ヶ月)、13.2ヶ月(TC3 / IC3の患者では17.5ヶ月)だった。