・ALEX試験のアジア人サブグループ解析

 あまり我が国の実臨床に影響を与えるデータとは思いませんが、参考までに。

 

欧州臨床腫瘍学会 in アジア2017

 

アジア人のALK陽性非小細胞肺がん患者において、アレクチニブはクリゾチニブより有効

 

By The ASCO Post

Posted: 11/20/2017 10:51:43 AM

Last Updated: 11/20/2017 12:56:48 PM

 

 第III相ALEX試験のサブグループ解析において、アジア人のALK陽性非小細胞肺がん患者では、標準治療であるクリゾチニブよりもアレクチニブの方がより有効であることが明らかになった。欧州臨床腫瘍学会 in アジア2017において発表された(Abstract 410O_PR)。

 

 J-ALEX試験は、日本人のALK陽性非小細胞肺がん患者において、アレクチニブがクリゾチニブよりも無増悪生存期間を延長することを示した。これに続いてALEX試験は、全世界のALK陽性非小細胞肺がん患者において、アレクチニブがクリゾチニブよりも無増悪生存期間を延長することを示した。

 今回のALEX試験のサブグループ解析では、アジア人グループ、もしくは非アジア人グループにおいて、アレクチニブの有効性と安全性を検証した。ALEX試験で無作為化された患者は303人にのぼったが、そのうちの69人はアジア人だった。主要評価項目は無増悪生存期間だった。

 この試験で特筆すべき点は、プロトコール治療開始時点で脳転移があったかなかったかに関わらず、全ての患者が6ヶ月ごとに頭部MRIの評価を受けたことだ。脳転移巣に関するTime to Progressionについて、両群間で比較することが可能だった。

 

 今回のサブグループ解析において、アジア人であろうが、非アジア人であろうが、同じような効果と安全性が示された。無増悪生存期間に関して、アレクチニブはアジア人サブグループでハザード比0.46、非アジア人サブグループでハザード比0.49と、いずれも有意に延長していた。アレクチニブはまた、中枢神経系に関する無増悪生存期間も、アジア人サブグループでハザード比0.21、非アジア人サブグループで0.16と有意に延長した。生存期間中央値は両群ともに未到達だった。

 

 アレクチニブ群、クリゾチニブ群の奏効割合は、アジア人サブグループにおいてそれぞれ81.2%、76.8%だった。また、非アジア人サブグループではそれぞれ84.3%、74.4%だった。嘔気・嘔吐、その他のGrade3の毒性は、アレクチニブ群でより低頻度であり、アジア人でも非アジア人でも同様の傾向だった。アジア人サブグループにおいて、アレクチニブによる肝障害がやや多かった。