ペンブロリズマブ使用成績調査・・・けっこう間質性肺炎が多い

 先日、ペンブロリズマブの製造販売元であるMSD株式会社の営業の方が、ペンブロリズマブの製造販売後使用成績調査の中間報告書を持ってきてくださった。

 2016年12月から2018年9月までの副作用情報をまとめたものだとのこと。

 まだつぶさに目を通してはいないものの、間質性肺炎に関する記載を簡単にまとめておく。

〇安全性解析対象患者数:2774人

〇間質性肺疾患関連副作用:327人(11.8%)

〇間質性肺疾患関連副作用患者のうち、1/3は治療開始から4週間以内に発症

〇間質性肺疾患関連副作用で死亡した患者は36人で、全体の1.3%、間質性肺疾患関連副作用発症者の11.0%

〇間質性肺疾患関連副作用により死亡した患者の約半数が、治療開始から4週間以内に発症

→導入後4週以内が要注意、発症時の死亡割合が1%程度というのは分子標的薬に近いが、発症者の割合は分子標的薬の2-3倍に及ぶ

〇ペンブロリズマブががん薬物療法初回治療として導入された患者では、全体の15.1%に間質性肺疾患関連副作用が出現、そのうち11.2%が死亡

→結構高率に起こる

〇ペンブロリズマブが二次治療以降で導入された患者では、全体の9.3%で間質性肺疾患関連副作用が出現、そのうち10.8%が死亡

→こちらも結構高率

〇初回治療導入時は肺感染症合併、二次治療以降導入時はPS不良、喫煙継続中、脳転移あり、COPD合併が、死亡オッズを高める因子の様子

→少なくとも二次治療以降では、進行期肺がんと診断されても喫煙を続けるような人には、副作用的にも国家経済的にもペンブロリズマブはお勧めできない。