FLAURA日本人サブグループ解析

 オシメルチニブの生存期間延長効果は、どうも西高東低のよう。  現在の実地臨床を見ると、EGFR遺伝子変異陽性の進行肺がん患者に対してはほぼオシメルチニブ一択となっているが、果たしてそれは正しいのか。  有意差はついていないものの、ハザード比1.390でゲフィチニブに劣っているオシメルチニブを、このまま患者に勧めていいものか。 <FLAURA試験に関するこれまでの記事> http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e966667.html http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e906089.html http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e913700.html http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e954089.html http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e964659.html http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e966520.html <FLAURA試験における日本人肺がん患者のOSサブグループ解析> 2019年 日本肺癌学会総会 ・FLAURA試験における日本人患者は、オシメルチニブ群65例、第1世代EGFR-TKI群(すべてゲフィチニブ)55例 ・患者背景は、PS0の割合、診断時Stage I/IIの患者の割合が第1世代EGFR-TKI群に多いなど、群間差あり ・アジア人のOS中央値はオシメルチニブ群37.1ヵ月に対し、第1世代EGFR-TKI群35.8ヵ月で、有意差つかず(HR:0.995、95%CI:0.752〜1.319) ・日本人を除くアジア人のOS中央値はオシメルチニブ群34.5ヵ月に対し、第1世代EGFR-TKI群29.7ヵ月で、有意差つかず(HR:0.89、95%CI:0.64〜1.24)。 ・日本人患者のOS中央値はオシメルチニブ群39.3ヵ月に対し、第1世代EGFR-TKI群中央値未到達で、有意差はつかず(HR:1.390、95%CI:0.8259〜2.3381) ・日本人サブグループでは、毒性中止となった患者がオシメルチニブ群、第1世代EGFR-TKI群ともに多かった →日本人で毒性中止となった割合はオシメルチニブ群29%、第1世代EGFR-TKI群35%で、対して全体で毒性中止となった割合はオシメルチニブ群15%、第1世代EGFR-TKI群18% ・カプランマイヤー曲線は27ヵ月付近で逆転