・第II相NEOSTAR試験・・・術前ニボルマブ+イピリムマブ併用療法

 最後にNEOSTAR試験です。

 こちらは術前にニボルマブ+イピリムマブ併用療法を行うというコンセプトです。

 第II相臨床試験ではありますが、果たして今後CheckMate816レジメンとどう住み分けることになるのでしょうか。

 少なくともニボルマブに関する限り、単剤での術前療法を開発する方向には向かっていないようです。

 

 

 

Neoadjuvant nivolumab or nivolumab plus ipilimumab in operable non-small cell lung cancer: the phase 2 randomized NEOSTAR trial.

 

Tina Cascone et al.,Nature medicine. 2021 03;27(3);504-514.

doi: 10.1038/s41591-020-01224-2.

 

 イピリムマブは、ニボルマブと併用することによって進行非小細胞肺がんの予後を改善することが示されているが、切除可能な非小細胞肺がん病巣の免疫学的微小環境にどのように影響するのかは未知数である。今回我々は、切除可能な非小細胞肺がん患者44人を対象として、術前ニボルマブ単剤療法(N群)と術前ニボルマブ+イピリムマブ併用療法(NI群)とそれに引き続く手術の効果を、major pathological response(MPR)を主要評価項目として検証するランダム化第II相NEOSTAR試験の結果について報告する。MPR割合は、術前化学療法によって得られるそれをhistolical controlとして統計解析にかけた。NI群においては、21人の患者のうち6人でMPRが達成されることを有効性の閾値としたが、今回は21人中8人(38%)でMPRが得られたため、有効と判定した。一方N群においては、23人中5人(22%)でMPRが得られた。プロトコール治療中に計37人の患者が手術を受け、N群におけるMPR割合は24%(5/21)、NI群におけるMPR割合は50%(8/16)だった。病理学的完全奏効割合(N群 10% vs NI群 38%)、生存腫瘍細胞割合中央値(N群 50% vs NI群 9%)、腫瘍病巣内に残存するT細胞数のいずれもNI群で優れていた。腸管内におけるRuminococcusとAkkermansia属の増加がNI群のMPR割合と相関していた。