第57回日本肺癌学会総会より
学会最終日のランチョンセミナーだった。
発表後の質疑応答のときに、
「ALKやRETの異常もliquid biopsyで検出できる」
という驚きのコメントが飛び出した。
DNAチップ研究所ではそういったニーズに応えるべく、日夜研究を続けているそうだ。
DNAチップ研究所:https://www.dna-chip.co.jp/
TEL:03-5777-1687
興味がある方は、一度連絡してみることを勧める。
ランチョンセミナー25
<EGFR変異陽性肺癌における血中腫瘍DNAの動態病理>
・cell free DNA: cfDNA
血中に溶解している細胞から放出されたDNA
白血球などのもともと血中に浮遊している細胞由来のものも含む
・circulating tumor DNA:ctDNA
cfDNAの中で、腫瘍から放出されたものに限る
・liquid biopsy
液性検体から腫瘍構成成分を検出する技術
最近の学会報告、論文では「ctDNA検出」という用語に置き換わりつつある
・変異特異的PCR
変異部位依存性が高い
多数の変異への対応が困難
定量的検出は難しい
・digital PCR
抽出したDNAを限外希釈し、96穴等のウェルに分注してPCR反応を起こさせる
陽性となったウェルの数を数えることで半定量できる
・BEAMing法:beads, emulsion, amplification, magneticsの頭文字から命名
・半導体シーケンサーの開発:Rotherberg, Nature 2011
・liquid biopsyの取り組み
Uchida, Clin Chem 1191, 2015
PNA-LNA-PCR clump法で組織検体のEGFR変異を調べた結果をgolden standardとして、Deep sequencing法で血液検体を用いたliquid biopsyを行い、どの程度一致するかを調べた
Deep sequencingの検出感度は、病期がII期までだと20%程度
III-IV期だと70%超
→進行期になると、ctDNAが増えるということか
・liquid biopsyの承認状況
Therascreen法 Ex.19/21が対象 2015/1/12にEUが承認 陽性ならgefitinib使用可
Cobas法ver.2 Ex.19/21が対象 2016/6/1にFDAが承認 陽性ならerlotinib使用可
Cobas法ver.2 T790Mが対象 2016/9/29にFDAが承認 陽性ならOsimertinib使用可
・患者のうち1/3は、明らかな病勢進行の3-4ヶ月前から血中のEGFR遺伝子変異検出量が多くなる
・Oxnard, J Clin Oncol 3375-, 2016
Osimertinibの治療効果とliquid biopsyの相関
・Deep SequencingでALK, RETの検索も実用化段階に入りつつある