なんとわが身にも!

 ここ数年、知人が肺がんの手術を受けたとか、CTを撮ったらたまたま肺の結節影を指摘されたとか、そういった話を聞くことが多くなった。

 相談を受けてアドバイスをする、といったことは本当にしばしばだ。

 2017年になったとたんにひどい風邪を引いて、その後もずっと咳が続いている。

 昨年末、自分の病院の職員を対象とした院内セミナーで、「結核結核もどき」という話をした際、

 「長く続く咳は、結核の可能性があるので要注意!」

としゃべった手前、調べないわけにはいかなくなった。

 レントゲンでは昨年5月ごろの検診フィルムと変化はなかった。

 

 ここでやめておけばよかった。

 

 高分解能CTを撮影したところ、左肺上葉と右肺下葉にそれぞれ3−4mm大のスリガラス状結節影を見つけてしまった。

 慌てて昨年3月、尿路結石を患った際の(通常)CTと比較したところ、たしかにそれらしい影がある。

 10ヶ月経過して消えていないということは、おそらく異型腺腫様過形成かAdenocarcinoma in situだろう。

 定期経過観察しなければならなくなった。

 自分が専門とする病気にかかるというのが、どんなものなのかよく分かった。

 たいへん気が滅入る。