いよいよ次世代シーケンサーが実地臨床導入へ

 2017年6月22日、BRAF V600E陽性肺癌に対するdabrafenib+trametinib併用療法がFDAによって承認された。

 https://www.fda.gov/Drugs/InformationOnDrugs/ApprovedDrugs/ucm564331.htm

 今回の承認は、BRF113928試験に基づいている。dabrafenib+trametinib併用療法を行った患者群93人(未治療36人、既治療57人)を解析したところ、既治療群での奏効割合は63%(95%信頼区間は49%から76%)、奏効持続期間中央値は12.6ヶ月だった。一方、未治療群での奏効割合は61%(95%信頼区間は44%から77%)、奏効持続期間中央値は解析時点で未到達だったが、59%の患者では6ヶ月以上の奏効持続が確認された。

 

 本治療がFDA承認されたこと自体がもちろんニュースなのだが、特筆すべきは、コンパニオン診断として次世代シーケンサースクリーニングであるOncomine Dx Target Testが併せて承認されたことである。少なくともBRAF、ROS1、EGFR遺伝子異常検索は本検査で検索可能と記載されている。本検査でROS1、EGFRの異常が見つかった際に、それらに対応した治療をしてよいかどうかまでは述べられていないものの、次世代シーケンサーによるクリニカルシーケンスが実地臨床に導入されることになったという点で、dabrafenib+trametinib併用療法が承認されたことよりも遙かに画期的な出来事のように思われる。