悪性胸膜中皮腫とPembrolizumab

 話題が手元に届いたのが2017年3月なので、いまさらな気がするけれど、悪性胸膜中皮腫とPembrolizumabの話。

Pembrolizumab in PD-L1?Positive Malignant Pleural Mesothelioma

By Matthew Stenger

Posted: 3/30/2017 9:15:08 AM

Last Updated: 3/30/2017 9:15:08 AM

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28291584

 phase IBのKEYNOTE-028試験の中間解析において、悪性胸膜中皮腫瘍に対する長期奏効が報告された。

 本試験は、PD-L1陽性(免疫染色で腫瘍細胞の1%以上が発現)の固形がん患者を対象としたものであり、その中に含まれた既治療悪性胸膜中皮腫患者25人を対象に解析した。6ヶ国、13施設から患者が参加しており、2週ごとに10mg/kgのPembrolizumabを最大2年間、病勢が進行するか、許容できない毒性が出るまで治療を継続した。

 患者の年齢中央値は65歳、全体の68%が男性、84%が白人で、全員PSは0か1、72%が上皮型中皮腫で、32%が少なくとも2レジメンの前治療歴を有し、88%でプラチナ製剤が、84%でPemetrexedが使用されていた。

 5人(20%, 95%信頼区間は6.8-40.7%)で奏効し、13人(52%)で病勢安定が得られた。奏効持続期間中央値は12.0ヶ月(95%信頼区間は3.7ヶ月以上)で、2016年6月のデータカットオフ時点で、2人が治療を継続していた。

 毒性は、疲労(24%)、嘔気(24%)、関節痛(20%)が多かった。Grade 3以上の毒性は5人(20%)で認め、呼吸困難、食欲不振、発熱、ALT上昇、虹彩毛様体炎がそれぞれ1人(4%)ずつだった。免疫関連有害事象により治療の中断が必要になったのは3人(12%)だった。