・PoziotinibとEGFRエクソン20挿入変異

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 小規模臨床試験ながら、EGFRエクソン20挿入変異を有する進行非小細胞肺癌患者を対象に、これだけの成果を上げられたのは見事です。

 一旦は忘れ去られた化学物質に、地道な努力で再び光を当てたMDアンダーソンがんセンターのポスドクの先生に拍手喝采です。

 製薬会社とコラボして、コンパッショネート・ユースや第II相臨床試験の計画が進行中とのことです。

 

 

<Poziotinib、EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺癌患者に対して高い腫瘍縮小効果を示す>

 

By The ASCO Post

Posted: 10/20/2017 10:09:25 AM

Last Updated: 10/20/2017 10:09:25 AM

 

 治療抵抗性の遺伝子変異を有する進行非小細胞肺癌患者に対して、MDアンダーソンがんセンターで試みられた治療が、高い腫瘍縮小効果を示した。

 

 第II相臨床試験において、キナゾリン環構造を持つ汎HERファミリー阻害経口新規分子標的薬のPoziotinibが、EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺癌患者11人のうち、8人(73%)において少なくとも30%の腫瘍縮小効果をもたらした。2017年3月に開始された本試験において、病勢進行に至ったのは1人だった。全ての患者において、いくばくかの腫瘍縮小効果が認められた。

 非小細胞肺癌患者のうち約2%は、EGFRエクソン20挿入変異を有するとされている。本試験には27人が既に参加し、50人まで組み入れる予定である。米国食品医薬品局は複数のEGFR阻害薬を既に承認しているが、EGFRエクソン20挿入変異に対して有効性が確認されたものはこれまでなかった。

 11人の患者のうち、6人は発疹、下痢、粘膜炎、爪囲炎といった有害事象により減量が必要だった。

 

 Poziotinibは肺癌に対する一般のEGFR阻害薬として開発されたがものにならず、お蔵入りしようとしていたが、MDアンダーソンがんセンターの肺癌ムーンショット計画における抗腫瘍薬スクリーニングプログラムにおいて、EGFRエクソン20挿入変異に対する治療効果が期待できる薬として再び脚光を浴びることとなった。