がん薬物療法専門医資格更新試験

 2018/11/23、今年度のがん薬物療法専門医資格更新試験が、東京は御茶ノ水のソラシティ・カンファレンスセンターで行われた。

 私の場合、本来は来年度が資格更新年次だが、制度上は更新年次の1年前から試験を受けられることになっている。

 今年度は子供も高校受験を受けることになっていて、少しでも試験勉強の辛酸を分かち合おうと、総合内科専門医資格更新のためのセルフトレーニング問題とともに、本試験にも取り組んだ。

 実際のところ、どんな風に勉強したかというと、がん診療レジデントマニュアルを流し読んで過去の記憶を掘り起こし、日本臨床腫瘍学会がオンラインで会員に提供している教育セミナーAセッション、Bセッションを閲覧し(オンラインとは言え、結構な長丁場)、まじめにノートをとって試験直前に復習した。

 資格更新試験は今回が2回目の受験だが、様式は前回と同様だった。

 10時に会場に集合、10時30分に試験開始、30分経過後は途中退席可、50分経過後は途中退席不可、60分経過の11時30分には試験終了。

 問題数は50問で、一律に5択の選択肢から1択の回答を選び、マークシートで回答する形式。

 試験問題は持ち帰り不可、試験問題を口外してはならない、ネットに乗せてもいけない、とのことだったので、印象だけ書き残しておく。

 大雑把に言って、全体の2/10はがん薬物療法の一般的な設問で、統計や緩和医療に関する設問は少なかった。

 この副作用が起こる可能性があるのはこの薬、という感じの設問が多かった印象。

 とくに、分子標的薬・抗体医薬の副作用については整理しておいた方がよさそうだった。

 全体の7/10程度は血液がん、消化器がん、肺がん、乳がんの設問が均等に出題されていた感じ。

 それぞれの2/3程度は一般問題、1/3程度は臨床問題。

 他の領域はともかくとして、肺がん領域に関して所感を述べると、不適切問題が一部含まれているような感じだった。

 進展型小細胞癌の初回治療についての設問は、肺癌を専門に取り扱っている者からするととても違和感が残った。

 一方で、知識偏重では解けないような良問(画像診断の所見から治療選択)もあった。

 残る1/10はその他の領域からの出題。

 設問数の振り分けが、そのまま日本臨床腫瘍学会が重視している領域を反映している気がした。

 長考して、閃いて、答えにたどり着く、という感じの設問ではなく、ほとんどは知ってるか知らないかが全てのような問題だった。

 解答を選択するだけなら30分程度で終わってしまう。

 長々考え続けても仕方がなさそうだったし、制限時間満了とともに一斉退席となると込み合いそうだったので、途中退席した。

 あとはまっすぐ帰路についた。

 都内でムンク展をやっていて、有名な「叫び」を鑑賞して帰りたかったが、時間がないので諦めた。

 具体的な試験問題を口外しているわけではないのでこのくらいは許してもらえると思うのだが、学会からクレームがついたらまた考える。

 不惑を過ぎて試験を受けるのは辛かったが、周りを見渡すともっと年配の先生方も多数参加しておられたので、まだまだ頑張んなきゃな、と気が引き締まった。